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小糸英樹さん「協力隊であり、日本語教師でもあり」

人民網日本語版 2018年02月11日10:00

 長年にわたり、中国ではごく普通の、愛らしい日本の若者たちが常に活躍してきた。彼らは自身の知識と熱意を中国の地に捧げてきた。彼らの中には社会人になったばかりの若者もおり、中国語もほとんど話せないものの、努力と楽観的な姿勢で、異国の地で人としての価値を実現させようとしている。日本国際協力機構(JICA)が中国に派遣するボランティアたち、それがこうした若者たちだ。ボランティアたちは通常、1~2年間中国に滞在し、そのほとんどが条件的にも厳しい遠隔地や貧困地域へと派遣され、そこで教育や医療といった業務に従事し、現地の人々と一緒に生活する。人民網日本語版では「中国の日本人ボランティア」コンテンツにおいて、こうした日本人ボランティアたちが中国で経験したエピソードや思いを紹介する。

 今回では、瀋陽市朝鮮族第二中学(中高一貫校)に勤務してまもなく2年になる日本語教師の小糸英樹さんが同期間に感じた仕事に対する思いをまとめている。小糸さんは投稿の中で、同校で立ち上げた「桜日本語クラブ」について紹介しており、生徒に日本語や日本文化に興味を持ってもらうために行った様々な方法についても紹介している。 

 瀋陽市朝鮮族第二中学(以下、朝二中)での活動がまもなく終わります。この配属先に赴任して、大体22ヶ月が過ぎました。これは決して短い時間ではありません。この間、何度も、どう活動をすればいいか考えていました。

 この学校は試験と関係がある内容を重視していて、外国人教師は基本的に聴解や作文の授業を求められています。その一方で、国際協力機構中国事務所(ボランティア部門の日本語教育方面において)からは、生徒の学習意欲や日本語能力向上のための効果的な手法として、日本文化体験のような活動を取り入れるよう提案がありました。これらはどちらにも長所と短所があります。ただ、活動期間中に両者のバランスを取るのは簡単ではありませんでした。その中で、折衷案を比較的に採りやすかったのは、桜日本語クラブです。

 桜日本語クラブは学校にある十幾つもの社団(日本で言う「部活」や「クラブ」に相当)の一つです。桜日本語クラブは、赴任時に設立された新しいクラブです。このクラブの主な目的は、生徒の日本語や日本文化に対する興味を掻き立てたり、また生徒に日本語を使う環境に身を置かせて、口語能力を向上させたりする(特に聴解能力)ことです。この目的を達成するために、赴任後の最初の学期のクラブ活動では試行錯誤しました。しかし、最初に試みた会話の練習はうまく進行することができませんでした。生徒にとって、クラブの時間は勉強や宿題漬けの一週間から開放される貴重な時間ということでした。多くの生徒がその時間に勉強することを望んでいませんでした。とある日の彼らの表情や教室の雰囲気を忘れることができません。

 それで、この記憶を胸にしまい、クラブ員が入れ替わった第二学期では、生徒の興味をよく観察しました。こうやって、新しいクラブ員は食べることに興味があるのに気付きました。彼らが中国のラーメンと日本のラーメンの違いについて話しているのを聞いたとき、自分たちで実際に確かめて、それをまとめたらどうかと提案しました。このような経緯で、軽食を食べて、その感想をクラブ新聞に書くという活動が始まりました。自分で試食したものを書くことは、平時の授業とは違う角度から作文を書くことができます。それは、書く練習としても、役に立つでしょう。これまで、ラーメン、おにぎり、お好み焼きやチョコバナナといった4つの軽食を試食してきました。


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