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故宮博物館の単霽翔院長「香港と故宮の出会いをより美しく」

人民網日本語版 2017年12月14日10:59

「建設中の香港文化故宮博物館は故宮と香港の出会いと言えるが、この出会いはどうやってより美しくしていくべきなのか」という質問に対し、故宮博物館の単霽翔院長は7日、香港で取材に応えた。

故宮博物館と香港特区政府康楽及び文化事務署(以下、康文署と略す)は7日、2012年に続き2回目の、文化交流並びに業務提携に関する意向書に調印した。2012年の初の意向書の調印に続いて、今回の意向書によって両方の交流協力関係がさらに密接になると予想される。

調印前、単院長は香港科学館で講演を行い、故宮博物館の歴史及び今後の香港との協力について説明した。

「故宮が直面している二つの最大の苦悩は、観光客が多すぎることと所蔵している文化財が多すぎること」と単院長はまず最初に故宮の現状をユーモアを交えながら紹介した。そして「故宮には、中国歴代の文化財だけでなく、清朝の最盛期に外国から贈られた文化財も保存されている。その上、貴重な文化財が全体に占める割合が93.19%となっている」とした。

単院長は、「貴重な文化財をどのように展示したらそれぞれが持つ物語を見学者に理解してもらえるのかという点が、故宮が今まさに追求していることであり、香港と協力していく上での方向性にもなっている。そこで一般展示以外にも、近年故宮は新しい形での展覧を次々と打ち出している」とした。

単院長はその例として、同じテーマの文化財を集中的に展示するというテーマ展覧を挙げている。例えば最近話題となった「千里江山展」は、故宮が保存している山水画を集めて展示している。また「回郷展覧」は、ある一つの地方で制作された故宮の文化財をその故郷の地で展示するという試みだ。

単院長は、「こうした展示スタイルは斬新であるため、人々からも好評を博している。今後、このような展示を海外で行う場合、その最初の都市または最後の都市を香港にしたいと考えている」とした。

意向書によると、2018年から故宮は康文署と提携し「時代を駆け抜ける紫禁城」シリーズという5年間にわたる教育イベントを開催する予定だ。多元的でアイデアに富んだイベントを通じて、異なる角度から、当時の皇室建築の規格や文化財のコレクション、歴史的なスタイルなどを分析し、学生や一般の人々に中国の伝統文化に触れてもらうのと同時に、香港の文化と芸術を広めることを目指している。

故宮博物館はその発展プロセスにおいて、デジタル技術やクリエイティブ産業を融合させ共に歩んできている。故宮博物館は先進テクノロジーを利用した文化財の修復や保護において世界のトップレベルに立っているのみならず、文化財のコンセプトを活用し、現在の「故宮のものなら間違いない」という評価を得るほど、数多くのクリエイティブ製品を開発してきた。

また、故宮はインターネットの力を借りて人々の生活にもその歩みを進めている。単院長によると、故宮の英語サイトや青少年向けのサイト、テーマ展覧サイトなどを相次いで登場させ、すべての文化財をインターネットサイトで鑑賞することができる。さらに9種類のスマホアプリを持ち、様々な形で文化財及びその背景を紹介している。そして故宮の敷地内においては、VR(仮想現実)の文化財紹介フィルムを鑑賞することもできるという。

将来的に故宮と香港の協力関係はさらに密接になると考えられている。故宮は今後は毎年香港でテーマ文化財展示を開催し、文化財保護や収蔵品管理、学術研究などの分野で専門知識と経験の交流を行っていく。また、人材育成のための共同メカニズムを構築し、テーマフォーラムや学術シンポジウム、博物館学芸員の研修も行っていく。さらに教育や宣伝活動を通して、青少年を初めとする人々に交流と実習の機会を提供し、人々の歴史や文化、芸術に対する認識をより一層高めることを目指す。

単院長は香港故宮文化博物館の完成を非常に心待ちにしているという。単院長は、「香港故宮文化博物館が将来的に温かみのある、人々の心を震わせる、行く価値がある博物館となり、その完成によって、中国がより魅力的な国になることを期待している」と締めくくった。(編集HQ)

 「人民網日本語版」2017年12月14日

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