中国司法部(省)が浙江省温州市で10日に開いた全国人民調停工作会議において、「オンライン人民調停委員会」の創設について今後検討されることが明らかになった。新華社が伝えた。
人民調停とは、中国民間調停の優れた伝統の継承・発揚を基盤として発展を遂げた中国の特色ある法律制度。その方法は、柔軟性が高く、プロセスが簡便でスピーディ、当事者の感情を損ねず、料金は無料という特徴を備えており、中国における紛糾・トラブルをさまざまなアプローチで解決していくプロセスで、基礎的な役割を果たしてきた。
現在、現代ネットワーク情報技術が国民の生産・生活スタイルに非常に大きな影響を及ぼしている。オンライン消費・医療・金融・虚偽広告・プライバシー漏えい・名誉や知的所有権の侵害などによってもたらされる問題やトラブルの件数が激増している。
司法部の傅政華・部長は、将来の人民調停の在り方について、「ネットワークをめぐるトラブルの公開方法や仲裁方法、協議・合意および司法面での確認方法については、オフライン人民調停方法と大きな隔たりがあるのが現状だ。今後は、インターネット分野の人民調停事業を重視し、オンライン人民調停委員会の創設を検討し、オンライン調停という方法でリアルタイムに各種オンライン関連問題を解決し、より健康的なネットワーク環境を構築する必要がある」とした。
また、「経済社会の発展に伴い、人民調停事業の対象範囲は拡大し続けており、結婚・家庭関係や隣人とのトラブルといった従来からある問題から、医療・道路交通・労働争議・不動産などの各方面にまで広がっている。複数の省・市では、業界・専門に特化した調停件数が激増しており、それらが占める割合は高まる一方だ」と現状を分析。
そして、「揉め事やトラブルの新たな変化に適応するためには、人々の新たなニーズを精確に把握しなければならない。トラブルが集中しており、人々のニーズが多い業界や専門分野については、速やかに業界・専門性の高い人民調停組織を立ち上げる必要がある」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年5月11日
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