現地時間の8日、国務院の李克強総理は特別機で日本・東京に到着し、第7回中日韓サミットに出席するとともに、日本への公式訪問を開始した。李総理は会談に先立ち、日本の朝日新聞に「中日平和友好事業の再出航を」を寄稿した。分析によると、「小春日和ムード」に包まれて、中日はこれから経済貿易協力の新たな周期が始まることになるという。「北京商報」が伝えた。
▽相互補完性の強い中日経済
李総理は寄稿文の中で、「高度に相互補完的な経済関係にある中日両国が、新たな科学技術・産業革命の潮流に乗って、省エネ・環境保護、科学技術の革新、ハイエンド製造業、財政金融、シェアリングエコノミー、医療・高齢者福祉など多岐にわたる分野での実務協力を拡大していくことは非常に将来性が高く、両国企業による第三国市場での協力も大きな潜在力を有している。今回の訪問中、双方は衛生及び医学科学、サービス産業、社会保障などの分野に関する一連の協力協定に署名する予定だ。さらに中国側は日本側と通貨スワップ協定の締結に向けて協議し、日本への人民元適格国外機関投資家(RQFII)の投資枠の付与を発表する予定である」と述べ、「両国間の互恵協力の質の向上とグレードアップは新たなチャンスを迎えていると言えよう」と強調した。
▽二国間貿易が雪解けに向かう
李総理は今年3月に行われた全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)で国内外の記者からの質問に答える中で、現在の中日関係を「小春日和」という言葉で表現した。実際、一連の現象から明らかなように、両国の関係は2012年以来の低迷期をくぐり抜け、中日平和友好条約締結40周年にあたる18年の今、雪解けのチャンスを迎えている。公表されたデータをみると、昨年の日本の対中投資額は前年同期比5.1%増加し、13年以来の連続マイナス成長の局面を転換させただけでなく、投資額は32億ドル(1ドルは約109.7円)に達して15年以降の最高を更新した。また昨年の中日貿易額は3千億ドルの規模を回復し、同10%増加した。今年第1四半期の中日貿易額は757億3千万ドルで、同10.1%増加した。
中国社会科学院世界経済・政治研究所グローバルマクロ経済研究室の劉仕国副室長の分析によると、「中日貿易の雪解けは主に国際情勢の影響によるものだ。すなわち米国が昨年初めに環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱した後、日本は大規模な海外市場の開拓に迫られていた。一方、中国は欧米との貿易摩擦に直面して、日本と同じように相対的に安定した海外市場を求めていた。こうして中日双方のニーズが一致した」という。
業界関係者は、「中日貿易は競争性と相互補完性が高く、機械類製品、繊維・アパレル製品、電器・電子製品が主要な位置を占める」と指摘。分析によると、「中国は日本にとって農産品の輸出大国であり、日本の財務省がまとめた統計報告によれば、昨年上半期に日本が中国から輸入した冷凍野菜は16万6千トンに達し、前年同期比12%増加して、過去最高に迫った。輸入量が増加した主な野菜はホウレン草、トウモロコシ、ブロッコリーなどで、このうちホウレン草は2万700トン、同15%増加した」という。
劉氏は、「電子製品、自動車の分野で、中日間の双方向の貿易の規模は大きい。よくあるパターンは日本が電子製品と自動車の半製品、中間製品を中国に輸出し、中国で組み立てた後、日本に再輸出するというものだ」と説明する。日本の著名な中国問題専門家である東京大学法学部・大学院法学政治学研究科の高原明生教授は以前、「環境保護・エネルギー、農業などの分野における協力が、中日双方の経済方面での新たな課題になるだろう」との見方を示している。
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