ポンペオ米国務長官は13日、朝鮮が非核化を完全に実現した場合、米国は経済制裁を解除するほか、朝鮮の経済繁栄も手助けするだろうと表明した。朝鮮中央通信は12日、朝鮮北部の核実験場の廃棄式を5月23~25日の間に天候状況を見て行う予定とする朝鮮外務省の公報を報道した。新華社が伝えた。
米朝首脳会談の日時、場所の発表にともない、最近双方は積極的に連動し、各々善意のシグナルを発しており、会談開催への前向きな姿勢を示しているとアナリストは指摘する。会談の成果の如何は、非核化問題で合意できるかどうか次第だ。
■積極的に連動しシグナルを発する米朝
ポンペオ長官は13日に米メディアのインタビューに、朝鮮が核を廃棄した場合、米国は経済制裁を解除すると述べた。これは米民間がエネルギー・電力、インフラ整備、農業など各方面で朝鮮を支援することを意味する。
ポンペオ長官は朝鮮に安全保障を提供するとも表明した。さらに、北部核実験場の廃棄という朝鮮の決定を評価。米国さらには世界にとって良いニュースだと述べた。
朝鮮外務省は公報で、朝鮮労働党第7期中央委員会第3回全体会議の決議に基づき、核兵器研究所など関係機関が核実験中止の透明性を確保するため、朝鮮北部の核実験場の廃棄について対策をまとめているとした。また、今回の核実験場廃棄の透明性を示すため、朝鮮国内のメディア及び国際記者団の現地取材を許可するとした。
4月27日の朝韓首脳会談以来、米朝首脳会談をめぐり、米朝は共に積極的な姿勢を示し、外交的意思疎通を行ってきた。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の韓国問題専門家であるビクター・チャ氏によると、今回ポンペオ長官の随行チームには国家安全保障会議と国務院のメンバーが含まれる。これは前向きな兆しであり、双方が会談後に発表予定の「成果」についてより深く入念な議論を前もってした可能性がある。
■各国が引き続き向き合って進むことが必要
アナリストによると、朝鮮半島の非核化実現への道において米朝間には一貫して溝がある。米側は朝鮮に完全で検証可能かつ不可逆的な非核化の実現、さらには具体的なロードマップとタイムテーブルまで求めている。一方朝鮮側は「段階的、同時的措置」を望んでいる。また、米朝首脳会談が一連の二国間問題に関わることは間違いない。だが多国間問題、地域問題である朝鮮半島核問題が複数の国々に関わることも否定できない。朝鮮半島の非核化を真に実現するため、朝鮮半島核問題の関係各国及び国際社会は連携して、対話と協議による平和的解決に助力するべきだ。
中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の王俊生副研究員によると、朝鮮半島核問題の平和的解決には朝鮮による真の核廃棄が必要であるだけでなく、安全保障や経済などで朝鮮の正常な懸念に国際社会が応じることも必要だ。また、米朝間の相互信頼が低いことを考えると、朝鮮半島核問題の解決過程への中国側の関与は双方の相互信頼の増進に資する。朝鮮に核廃棄を促すうえで、中国側は国際社会と目標が一致し、かつ国連安保理決議を支持している。
吉林大学行政学院国際政治学部の王生教授によると、最近の朝鮮半島情勢の立て直し過程において、中朝の最高指導者が2回会談したことは、朝鮮半島の非核化実現における両国の決意と意志を十分に示すものであり、朝鮮半島核問題の解決にプラスだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年5月15日
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