朝韓首脳による4月27日の「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」署名以来、双方は前向きなシグナルを発し、国際社会は期待に満ちている。人民日報海外版が伝えた。
■会談の成果を一歩一歩実行
朝鮮中央通信は4月30日、朝鮮最高人民会議常任委員会が「平壌時間」を変更し、新たな標準時を5月5日から採用すると発表したことを報じた。朝鮮半島は「時間上の統一」を実現する。
韓国聯合ニュースによると、朝鮮は5月に豊渓里核実験場を閉鎖すると発表したほか、マクドナルドやトランプ氏関連企業の対朝投資を望む考えを表明した。
これらの措置に、人々は4月27日の朝韓首脳会談での成果を積極的に実行に移す朝韓双方の誠意を見ている。
朝鮮の金正恩国務委員会委員長と韓国の文在寅大統領は4月27日、朝韓国境韓国側の「平和の家」で板門店宣言に署名した。
宣言は、朝鮮半島の非核化実現という共通目標を明確にした。双方は年内に朝鮮半島休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、韓朝米3者会談または韓朝米中4者会談を積極的に推進するとした。韓朝双方は「敵対行為」を全面的に中止し、交流・協力を強化し、南北共同連絡事務所の開城設置、離散家族の再会などを行うことを約束した。双方は文大統領が今年秋に訪朝することを決めた。
韓国聯合ニュースは宣言について、韓朝関係の発展の勢いの不可逆性を確保し、朝鮮半島の非核化プロセスが良好な循環を形成するための基礎を固めたとする、韓朝首脳会談韓国側準備委員会委員長、韓国青瓦台秘書室長の任鍾晳氏による評価を報じた。
朝鮮中央通信は宣言について、朝鮮半島の平和的統一という全民族の一致した望みと求めに合致し、朝韓関係の全面的、画期的発展の成果として、断ち切られ続けた民族の血脈が、共同繁栄と自主統一の未来へと前進するうえで転換的意義を持つ新たな一里塚だと報じた。
■対話と緩和を支えた中国
朝鮮半島情勢の緩和には各方面の要因が関係していると分析される。
「戦術上の調整ではなく国家戦略の転換が、朝鮮が対話と緩和を積極的に求めた主因だ」。中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の董向栄研究員は人民日報海外版の取材にこう指摘した。
「朝鮮にとって現在の主要課題は経済発展に力を集中することだ。これには国内経済の発展にプラスとなる良好な国際関係を創造する必要があり、朝韓関係の発展はそのあるべき道筋だ」。遼寧大学転換期国家経済政治研究センターの李家成研究員は人民日報海外版の取材にこう指摘した。
実際、情勢の緊張を緩和し、朝鮮半島の非核化を実現し、休戦から平和への転換メカニズムを構築することは、朝韓双方の共通利益にかなう。
中国は朝韓双方の重要な隣国として、朝韓双方の対話による関係改善を断固として支持し、朝鮮半島の平和にも助力してきた。3月25~28日、金委員長が中国を非公式訪問した。習近平国家主席が金委員長と会談し、朝鮮半島情勢について踏み込んだ意見交換をした。習主席は「われわれは各国に対して、朝鮮半島北南双方の関係改善を支持し、平和と対話の促進のために確かな努力をするよう呼びかける。中国側は朝鮮半島問題において引き続き建設的役割を発揮し、朝鮮側を含む各国と共に努力して、朝鮮半島情勢の緩和を後押ししたい」と表明した。
中国の支持がなければ、朝鮮半島の非核化と恒久平和の前進は不可能だと考える外国メディアが少なくない。「朝鮮半島の和平プロセスが前進したのは、朝鮮の国家路線の転換、韓国政府の調整外交、及び中国など大国がその成功を楽観視し、積極的に支持したことの共同作用の結果だ」と李氏は指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年5月4日
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