乗客乗員128人を乗せ、高度1万メートルの上空を飛行していた旅客機の操縦室のウインド・シールド(風防窓)が突然割れて脱落するという恐ろしい一幕が14日午前、重慶からチベット・拉薩(ラサ)に向かっていた四川航空機で生じた。危機的状況に直面した機長と乗組員は、冷静沈着に対処し、最終的に成都双流空港に無事緊急着陸した。人民網が伝えた。
事故機は四川航空3U8633便で、14日午前6時26分に重慶江北国際空港を離陸、ラサに向かった。同便には、乗客119人と乗員9人が搭乗していたが、離陸後間もなく、同便は緊急信号(スコーク7700)を発信した。
中国民用航空(民航)西南地区管理局は、事故発生後、「3U8633便は成都地区で巡航段階にあり、操縦室右前方のウインド・シールドが割れて脱落し、機体は緊急着陸した。民航のメンテナンス各部門と緊密に連絡をとり合い、飛行クルーは正しい処置を行い、7時46分には成都成都双流空港への緊急着陸に成功、乗客全員が無事だった」と説明した。
双流空港現場の写真を見ると、緊急着陸した事故機の操縦室右前方のウインド・シールドはすっぽり抜け落ちており、計器類がはめ込まれたダッシュボードも損傷したほか、窓側の操縦士も顔に擦り傷を負った。
その後、四川航空公司は、公式微博(ウェイボー)で、「事故機が緊急着陸した後、弊社は直ちに体調を崩した乗客・乗員を病院に搬送し、彼らは診察を受けた。今のところ、機長に不調は見られず、副機長も顔に擦り傷を負ったが、聴力に問題はなかった。このほか、乗務員1人が腰を負傷し、治療を受けている。乗客には現在のところ特に問題は無く、弊社は最終目的地まで乗客をケアするため担当者を手配した。事故後、乗客は全員、成都からラサに向かうフライトに乗り込み、午後12時9分には成都を発った」と説明した。
事故機はエアバスエアバスA319旅客機、機齢は6年10ヶ月。事故発生時、高度1万メートルの上空を飛行していたが、操縦室のウインド・シールドが突然割れて脱落し、操縦室内の気温が急低下し、かなり強い風をまともに受けることになった。上空での低圧・低温状態における人間の生存可能時間が非常に限られており、高度1万メートル上空ではせいぜい1~2分間といわれている。3U8633便の劉傳健・機長は、取材に対し、「自動操縦機能が完全に故障してしまい、計器類のダッシュボードも破損した。機体の状態を知るデータを得ることができなくなった状況で、完全に経験と判断に従い、高度を下げる判断をするしかなかった」と、当時の状況を振り返った。
民航西南局と四川管理監督局は、事故発生後直ちに現場に駆け付け、調査・処置を行った。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年5月15日
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