JR西日本が実施している新幹線のトンネル内の線路の間にある幅の狭い通路に社員数人が座って時速300キロを体感させる「風速体感研修」に対して、危険ではないかという疑問の声が上がっている。
報道によると、「風速体感研修」とは、ヘルメットと保護めがねを装着した社員が座り、すぐ側を通過する新幹線の風圧を体感する研修内容となっている。
この研修が実施されるようになったのは、2015年に福岡県の新幹線トンネル内で起きた部品落下の事故がきっかけという。同年、車両下部のカバーが落下し、跳ね上がって車体、電線、トンネル内の壁などに衝突し、窓側に座っていた女性乗客1人が頭部と左腕を負傷した。同事故で、新幹線53便が運休となり、1万5千人の足に影響が出た。調査の結果、日本全国に衝撃を与えた同事故の原因は、安全管理者と関係があることが分かった。そこで、社員の安全に対する意識を向上させようと、JR西日本は16年から、風速体感研修を定期的に実施するようになっている。
JRは、「社員に列車の安全は、自身の安全と密接な関係があることを感じてもらい、いつでも用心深く作業をしてもらうための研修」と説明している。これまでに、車両の検査などを担当する社員約230人がこの研修を受けてきた。
しかし、社員が座って、すぐそばを通過する時速300キロの車両の風速を体感すること自体、その危険性は明白だ。日本で有名な新幹線車両「はやぶさ」を例にすると、客を乗せた状態の速度は250-350キロに達し、客を乗せていない場合の実験速度は443キロに達する。そのため、「風速体感研修」の実施については日本国内で常に疑問の声が上がっていた。
現在、一部の労働組合が研修が危険すぎると、JRに対して中止を求めている。JR西日本の来島社長は今月24日、「今後は、トンネル外の安全性が確保された場所で実施する」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年10月30日
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