中国科学技術大学の兪書宏教授のチームがこのほど、氷晶の自己集合誘導と熱硬化を結びつけた新技術を開発し、従来のフェノール樹脂もしくはメラミン樹脂を基礎材料とし、天然木材に似た一定方向の通道構造を持つ新型人工木材を開発した。これら一連の人工木材は軽量で高い強度、耐腐食、断熱・防火などの長所を備えている。関連論文は10日、「Science Advances」に掲載された。光明日報が伝えた。
木材に似た構造の研究は、世界のバイオミメティック材料の研究分野のホットな内容になっている。ところが従来の木材に似た構造を持つ材料の力学性能は、人々を満足させるにはほど遠かった。そのため軽量で高い強度の特徴を持つ材料の開発が、バイオミメティック材料の研究分野の課題となっていた。
この新型人工木材の構造(通道の壁の厚み、通道のサイズ)は柔軟な調整が可能で、各種ナノ材料を複合することで多機能複合人工木材を作ることができる。シンプルで効率が高く、量産化が容易だ。この人工木材は高い機械性能を備え、その力学強度は開発済みの木材の構造に似た各種セラミック材料を上回り、かつ天然の木材の性能に相当する。
天然の木材と比べた最大の長所は、耐腐食、断熱・防火性能にあり、火が燃え移っても直ちに消える。専門家によると、新型バイオミメティック材料であるこの人工木材は、天然の木材の代替品になり、過酷かつ劣悪な状況での応用を実現する可能性がある。またこの合成方法は一連の高性能バイオミメティック材料を開発・生産する新たな方針をもたらした。その機能の設計可能性などの長所は、同方法及び生産された材料の各種技術分野での応用を切り拓く見通しだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年8月13日
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