北京市朝陽区にある「八つ当たりどころ」が最近、話題となっている。この店を共同で立ち上げたうちの一人は、「大都市で生活している人の多くはストレスを解消できる方法や場所が少ないため、それができる場所を提供することを思いついた」と説明する。そして、周辺のレストランやバー、中古品市場などと協力して、廃棄処分される予定の物品を回収し、それをきれいに洗ってから、客に破壊してストレス解消してもらっている。中国新聞網が報じた。
「八つ当たりどころ」に入ると、すぐに扇風機やおもちゃの自動車、固定電話、テレビ、パソコンのディスプレイ、炊飯器、ラジオなどが並べられていた。店長によると、客はそれら物品を破壊することでストレスを解消する。棚にはヘルメットやつなぎ防護服、安全靴、バットなどが並んでいた。壁に貼られた価格表を見てみると、1人用セット体験価格で約200元(1元=16.14円)だった。
午後3時を過ぎると、およそ10人の客が通路で順番を待っていた。ある客は、「仕事などのストレスが大きいけど、それを解消する方法はあまりない。これはとても良いストレス解消法だ」とした。
女性客の鄭さんは、「思いっきり破壊すると、スカッとする。いろんなストレスを、合理的に解消すれば、周りの人を傷つけたり、人に八つ当たりしたりしなくてすむ」と話した。
一方で、「『八つ当たりどころ』は実際の問題を解決することはできない。そのアイデアはいいと思うけど、コストパフォーマンスは決して高くない」と指摘する客もいる。女性客の曾さんは、「途中まで破壊すると、完全に粉々にしたくなる。でも、そうすることはできず、反対にストレスがたまる。破壊し終わった後も、問題は解決しておらず、やっぱりイライラする」と話した。
「八つ当たりどころ」の責任者によると、昨年12月は1ヶ月で1万5000本の瓶が破壊されたという。最も多い日で1日2000本が破壊された。同月の来客数は780人。オープンしてから現在までの来客数は合わせて1500人で、5-6万本の瓶が破壊された。
この店は話題を集めた一方で、ネットユーザーからは賛否両論が寄せられていることに関して、同責任者は「理解できる」としたうえで、「この店を開いた目的は、ストレス解消の場を提供すること。今後も、新しいアイデアを取り入れるなどして進化させていきたい」とした。
そして、「完全に保護された状態で、『目の前の物を破壊し、ストレスを解消できる』と自分に言い聞かせ、肩の荷を全て下ろすことができる。でもその後はまた現実に戻る。この店を始めたのは、暴力を勧めるためではなく、安全にストレスを解消してもらう場所を提唱するためだ」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年1月22日
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