世界環境デーの世界会場で行われたイベントの一環として5日、生態環境部(省)は「中国大気の質改善報告(2013-2018年)」を発表した。
▽74都市のPM2.5平均濃度が42%低下
同報告には中国の大気対策の総合的成果や主要な措置、主要な課題、今後の展望といった内容が含まれている。中国が2013年以降の大気対策による改善の成果を発表した初の報告書となる。
同報告によると、2013年以降、中国は経済が持続的に成長し、エネルギー消費量が持続的に増加する中で、大気環境の質が全体的に改善された。2018年には全国の国内総生産(GDP)が2013年比39%増加し、エネルギー消費量は同11%増加、自動車保有台数は同83%増加したが、一方で多くの大気汚染物質は濃度の大幅低下を達成した。「大気環境質標準」(GB3095-2012)の第1段実施都市74ヶ所は、PM2.5の平均濃度が42%低下し、二酸化硫黄(SO2)の平均濃度も68%低下した。
中国は2013年に北京・天津・河北、長江デルタ地域、珠江デルタ地域を大気汚染対策重点エリアと定め、国家レベルでエリアの大気汚染の共同防止共同抑制を展開し、大気の質が年を追って改善されるよう推進した。2018年になると、この3重点エリアのPM2.5濃度は2013年に比べて、北京・天津・河北が48%、長江デルタが39%、珠江デルタが32%、それぞれ低下した。
▽主要大気汚染物質の排出量が減少
同報告のデータをみると、2013年以降、中国では窒素酸化物(NOx)の排出量は28%、SO2は26%、それぞれ減少した。アメリカ航空宇宙局(NASA)の衛星リモートセンシングによるデータでは、2013-18年に中国の二酸化窒素(NO2)とSO2の鉛直カラム濃度(VCD)は全体として目に見えて低下した。NO2は20%低下し、北京・天津・河北は27%低下、長江デルタは34%低下、珠江デルタは24%低下だった。SO2は88%低下し、北京・天津・河北は79%低下、長江デルタは86%低下、珠江デルタは76%低下だった。
また2013-18年には、中国の酸性雨分布局面が全体とし安定を維持し、酸性雨の被害面積が年々減少した。2013年は酸性雨被害面積が国土の10.6%を占めたが、2018年は5.5%に減少し、減少幅は50%に迫った。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月6日