世界の博物館が中国のECプラットフォームに競って進出
世界の有名博物館24館が現在、天猫に進出しており、故宮だけでも淘宝と天猫に6つのショップを設置している。天猫に進出している博物館を見てみると、海外の博物館も少なくないことが分かった。海外の博物館のうち、最初に天猫に進出したのは英国の大英博物館で、ショップオープンからわずか16日間で全ての商品が完売するほどの人気ぶりとなった。
大英博物館の旗艦店で最もよく売れているのが所蔵文化財の要素が盛り込まれたクリアファイルで、1つ6元(1元は約15.1円)だ。
世界4大博物館の1つに数えられるロシアの冬宮殿(エルミタージュ美術館)や、米国のボストン美術館、オランダのゴッホ美術館、フランス国立美術館連合(RMN)などビッグネームの博物館も天猫に進出する準備を進めているという。
中国だけでなく海外の博物館も競い合ってECプラットフォームに進出している背後には、毎年100%以上のペースで急成長する中国のオンライン博物館文化クリエイティブ市場がある。統計によると、過去2年、淘宝と天猫のプラットフォームだけを見ても、文化クリエイティブグッズの販売が3倍増え、博物館が運営するショップの取引規模も2年で6倍増えた。
博物館自身がミュージアムショップで打ち出す文化クリエイティブグッズと比べると、博物館が垣根を越えて他のブランドとコラボして打ち出すグッズのほうが、若者には人気がある。「新文化クリエイティブ消費動向報告」によると、業界を跨ぐコラボグッズが文化クリエイティブグッズ市場に占めるシェアは72%に達している。つまり、コラボグッズの規模は博物館自身がミュージアムショップで扱うグッズの3倍ということになる。
今年に入り、コラボグッズのうち故宮の口紅、「江南四大才子春茶」、「中国探月計画棒棒糖(スティックキャンディー)」の3種類が、ネットユーザーが争奪戦を繰り広げるほどの大ヒット商品となった。「江南四大才子春茶」は蘇州博物館とお茶ブランドが共同で打ち出した商品。また「探月計画棒棒糖」のほうは中国の月探査プロジェクトとスティックキャンディーブランドが共同で打ち出したもので、発売当日に10万個も売れた。
今年4月、陝西歴史博物館で、オープンしたばかりのオンライン旗艦店とネット通販大手・京東が共同で文化クリエイティブグッズの展示を行った。瓦当(屋根瓦の一番軒先の丸瓦)をモチーフにした本のしおり、鍍金銅蚕のブローチ、唐代の官女のマグネットなどが来場者の目を引いていた。歴史・文化グッズのデザイン・開発に、多くのECプラットフォームが今、垣根を越えて参入している。文化クリエイティブグッズとインターネットの融合は、より多くの若者の間で中国の伝統文化が受け継がれていくことを後押ししている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年8月21日