若者は動画再生だけでなくライフスタイルも「倍速モード」

人民網日本語版 2019年10月18日16:56

通勤途中で勉強し、食事の間に動画を見て、旅行に行けば人気スポットで写真を撮りまくる。今や、ドラマを見る時の「倍速モード」(ユーザーがソフトを使って動画の再生スピードを倍速にできることを指す)は、多くの若者のライフスタイルになっている。こんな「倍速生活」を送る若者たちは、一分一秒をできる限り有効に使い、時間を最大限効率的に使おうとしている。しかし「倍速生活」で、身心ともに疲れ、忙しくしているのに結局のところそれほど得るところがないという人も多い。中国青年報が伝えた。

先ごろ、中国青年報社社会調査センターと問巻網(wenjuan.com)が18-35歳の青年1993人を対象にして行った共同調査によると、76.5%の回答者が自分は「倍速生活」を送っていると回答していた。このうち一線都市の回答者の割合が最も高く、78.9%に達した。83.1%の回答者は、「毎日忙しくしているが思い描いているような成果は得られていない」と回答。若者が「倍速生活」を送っている原因については、59.7%の回答者は情報化時代が原因だとし、49.2%の回答者が現代の若者は自分への要求が高いからだとした。また、63.2%の回答者は「若者は適正な目標を掲げて努力すべきで、いわゆる『高効率』を盲目的に追求すべきではない」とした。

北京でメディア業界に従事する孫了(女性)さんは、「毎日目を覚ましたその瞬間から、時間が自分のものではなくなるように感じる。地下鉄に乗っていても、歩いていても、食事をしていても、常にタレントや、映画・番組制作関係者、企業チャネルパートナーなど各方面と連絡を取っている。1日のうち頭を空っぽにしてぼんやりできる時間はとても少ない。数ヶ月間も連続して仕事が終わると夜12時で地下鉄の終電が終わっていたこともあった」と言う。

ある二線都市に住む中央企業職員の王凡達さん(仮名、男性)は、たとえば食事をするなら美味しいものをじっくり味わうなど、一つのことにじっくり集中する習慣があるが、時には「倍速モード」がオンになることもある。「列車運転士の試験を受けた時には、試験勉強しながら仕事もし、さらに彼女にもつきあわないといけなかったので、何をするにも寸暇を惜しんでやるという感じだった」と王さんは言う。

調査では、76.5%の回答者が「自分は『倍速生活』を送っている」と回答した。比較分析の結果、一線都市の回答者は生活のテンポが速く、78.9%の人がこの項目を選んでいた。次が二線都市の回答者(77.6%)だった。

華東師範大学心理・認知科学学院応用心理学部教授の徐光興氏は、「『倍速生活』現象は国内外でよく見られ、日本では『駆け足の人生』と呼ばれている」と指摘している。

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