四川臥龍国家級自然保護区管理局が発表したユキヒョウの監視測定作業報告によると、保護区は管轄エリア内に分布する8ヶ所のユキヒョウ生息地(面積約200平方メートル)に約100台の赤外線カメラを設置し、計1072件の映像データおよび約2980秒の動画を収集した。収集された画像には、ユキヒョウが後ろ足で掘った穴、マーキング行動の痕跡、放尿した痕跡という3種類の「縄張り確保」のための行動が映っている画像が大量にあり、ユキヒョウが「岩登り」をしている様子を近距離でとらえるという極めて珍しい画像も記録された。中央テレビニュースのニュースサイトが報じた。
2009年、臥龍の梯子溝で、初めてユキヒョウの撮影に成功した。2019年上半期までの10年間に、同地の赤外線カメラによって、4千件あまりの資料が収集されている。また、ユキヒョウなど肉食動物の糞便200件あまりも野外で収集され、保護研究のための貴重な資料が大量に蓄積されてきた。
研究の結果、臥龍に生息するユキヒョウは分布密度が非常に高いことが判明した。保護区内のユキヒョウ分布密度と生息地利用率はいずれも極めて高く、臥龍のユキヒョウの毛皮の模様比較から、条件が整った生息地では、多くの個体が生息地を共同で利用しており、多かれ少なかれ縄張りが重なっていることが明らかになった。
また、ユキヒョウの糞便サンプルに対する食性分析から、保護区内のユキヒョウの食料源は、主にバーラルで、ヤクも一定の割合を占めているほか、ネズミウサギ、ヒマラヤ・マーモット、鳥類なども食料としており、かなりバラエティに富んでいることが分かった。全体的に見て、保護区に生息するユキヒョウの食料は非常に種類が豊富で、かつ量的にも十分足りており、生態システム構造はほぼ整っていた。また、保護区は今後も、引き続き管理を強化し、高山放牧による影響を減らしていく必要があることが、研究から明らかになった。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年10月25日