2019中国(浙江)ヒューマンリソースサービス博覧会(撮影・翁嫻)。
隔離された小部屋で行われたバーチャル面接官による特殊な面接では、部屋に設置されたディスプレイに「業務で感情的な同僚と仕事しなければいけない場合、どう対応する?」と質問内容が映し出された。こうして質問が始まり、その全てに答えると、採用か不採用かの面接結果が記されたレポートが自動で作成される。そんな人工知能(AI)面接が、24日に浙江省杭州市で開催された2019中国(浙江)ヒューマンリソースサービス博覧会に登場した。同博覧会では、AIスマート面接システムなどのハイテクが注目を集め、新技術がヒューマンリソース管理に活用されるという新しい動向がPRされた。中国新聞網が報じた。
ヒューマンリソースに従事する袁萍さんは、AIスマート面接システムを体験した後、「AI面接は、非常に明快で、フレッシュな体験。新入社員応募の際、この技術を採用すると、1次面接の效率を向上させ、コストを削減できる」と話した。
このシステムは「魔法の鏡」と名付けられており、AIやビッグデータ、心理学専門家チームリソースなどを活用。いつでも、どこでも自動化された面接を実施して、応募者を評価でき、企業が面接効率を大幅に向上できるようサポートする。このシステムを開発した「獵聘」(杭州支社)の柴卿・総経理は「企業が『魔法の鏡』を使って面接すると、面接にかかる時間を約80%、コストを70%節約でき、採用の精度も30%向上する」と説明する。
ビッグデータも面接をサポートし、書類選考の効率が向上する。多くのヒューマンリソース管理者が抱えている「どんな人材が自分の会社に必要で、どんな人材なら長期間にわたり働いてくれるのか」という問題を、北京希瑞亜斯科技有限公司が開発したスマート化新入社員採用管理システム「MOKA」が解決してくれる。
AIスマート面接システム(撮影・翁嫻)。
このシステムは企業の人材ベースに基づいて、必要な人材のイメージを確定し、応募者の履歴書を当該企業の人材ビッグデータと照らし合わせて自動的に適合度をはじき出し、評価。ヒューマンリソース管理者の書類選考をサポートする。このシステムを採用すると、人材採用のスピードを約51%向上することができるほか、コスト32%削減につながる。
新入社員の書類選考、面接だけでなく、契約書を交わすシーンにも、ハイテクが活用されるようになっている。従来の紙の契約書の場合、作成するのに手間がかかり、郵送にも時間がかかる。一方、深セン法大大網絡科技有限公司が開発した電子版契約書なら、郵送したり、プリントしたりする必要はなく、オンラインでサインすると、契約書が永久に保存される。
同社のヒューマンリソース事業部商品技術責任者の姜秋陽氏は、「当社のあるクライアントは世界各地に従業員がいる。紙の契約書で契約を交わすのはとても手間がかかる。しかし、電子版契約書を使えば、わずか10分で、入社手続きから労働契約までが終わり、契約に必要なコストを90%以上節約できる」と説明する。
今回のヒューマンリソースサービス博覧会には、世界から来たヒューマンリソースサービス機関130社が出展し、上場企業300社以上が参加した。また、ヒューマンリソース業界従事者約1万人が来場した。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年10月25日