2019年、静岡県立大学の教員・学生が蘭州を訪れ、蘭州大学の教員・学生と交流した際の記念写真(画像提供・蘭州大学)。
「蘭州大学に来ることにした理由は、新疆と甘粛がフィールド調査研究の一部であり、歴史的文献をより完全な形で分析・整理できることだった。日本のテンポの速い生活リズムや細々とした煩わしい業務に悩まされてきたが、今は、中国西部の大学で、『スローライフ』を存分に楽しんでいる」と菅原教授は言う。
主な日常を占める授業と研究のほか、中国語学習やテニス、中国グルメ、国内外の友人との交流はどれも菅原教授にとってプライベートタイムのリフレッシュ剤となり、中国は今では「第二の故郷」となった。
菅原教授は現在、2人の大学院生を指導している。菅原教授が学生に求めているのは、国際的視野と多言語コミュニケーション力だ。「他人が訳した二次的な資料を読むのではなく、様々な言語を用いて様々な視点から文献に触れ、歴史を探し出し、その源から読み解けるようになることを学生に望んでいる。ウイグル語・日本語・英語・中国語を基本的に使いこなしてほしい」と強調した。
蘭州大学西北少数民族研究センターの博士課程で学ぶ関楠楠さんは、「菅原先生は、これまでに出会った先生の中で、生活と学びを最も上手に融合している教師だと思う。毎回、授業のたびにちょっとしたお菓子を準備して、リラックスできる雰囲気を作ってくれる」と話した。
菅原教授が自分自身と学生に求めるもう一つの能力は、「専心」だ。菅原教授は、「私は何も食べず、何も飲まなくても、『文献の海』の中で研究に没頭していられる。このような専心する力を、学生たちにも身に着けてほしい。日がな一日寮でアニメを観る『オタク』のように、学問に専心してほしい。身を入れて打ち込めば、学問は非常に面白いということが理解できるだろう。私は、面白みがあって、本の虫のような学生が大好きだ」としている。
中日両国の学術交流の「架け橋」として、菅原教授はよく中国の学生を連れて、各地の学術シンポジウムに参加している。将来について、菅原教授は、「中国の学生が民族史に触れる手助けをして、彼らが自分の民族に対する興味を抱くようリードしたい。歴史の痕跡を留め、さらに探求していきたい」と抱負を述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年1月3日