湖北省武漢市など複数のエリアで新型コロナウイルスによる感染が確認された。国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チームは20日、取材に対し、「新型コロナウイルスは、ヒトからヒトと医療関係者への感染がすでに確認された」ことを明らかにした。人民網が各メディアの報道を総合して伝えた。
21日午前7時30分の時点で、中国国内で新型コロナウイルスによる肺炎と診断された患者は累計219人(武漢198人、北京5人、広東14人、上海2人)に上っている。
21日朝の最新情報によると、武漢では、医療関係者15人が感染し、新たに1人が死亡した。
国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チームのリーダーを務め、中国工程院院士で国家呼吸器疾患臨床医学研究センターの鐘南山主任は、「現段階で、『ヒトからヒト』への感染は紛れもない事実であることが判明している。広東の患者2人は、いずれも武漢を訪れておらず、患者の家族が武漢で感染した後、広東に戻って2人に感染したため、彼らは『ヒトからヒト』への感染であることは間違いない」と指摘した。このほか、医療関係者への感染も確認されている。
また、鐘主任は、中央テレビ(CCTV)の白岩松記者の取材に対し、「現在感染が拡大している新型コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)とも中東呼吸器症候群(MERS)とも全く異なる性質のウイルス。この新型コロナウイルスの感染拡大は始まったばかりであり、同時に次第に感染が広がりつつある。新型コロナウィルスはかつて流行したSARSほど感染力は強くなく、毒性そのものもSARSほど強くはない。重篤度と伝染力という点から見て、今回の肺炎とSARSとの間には、明らかに違いがあると感じている」との見方を示した。
また、国家衛生健康委員会公式サイトによると、同委員会は、「新型コロナウイルスによる肺炎を『中華人民共和国伝染病防治法』が定める乙類伝染病に組み入れる一方で、甲類伝染病の予防・抑制措置を講じる」との公告を発表した。また、新型コロナウイルスによる肺炎は、「中華人民共和国国境衛生検疫法」が定める検疫伝染病管理の枠組みにも組み込まれる。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年1月21日