3月6日、安徽省淮南市の感染症指定医療機関・淮南市第一人民病院の医療従事者にお辞儀をして感謝を示す新型コロナウイルス感染者3人(陳彬/人民図片)。
医師になって約20年の袁医師は1月14日、専門家グループのメンバーとして、新型コロナウイルス感染者の治療に当たった。1人の重篤患者に気管挿管を施し、ICUに運ぶ必要があった。しかし、気管内に挿管する時はウイルスが拡散し、感染してしまう危険が非常に高い。「でも、だからといってこの危険を冒さない訳にはいかない」と袁医師。
翌日、袁医師は体温が39度まで上がってしまい、3日後に入院して治療を受けるようになった。半月後、袁医師は武漢市肺科病院のICUに移され、妻が「インフォームド・コンセント」に悲痛な思いでサインした。それを聞いた、友人や同病院のICUの主任・胡明医師らは涙を流し、その様子はメディアのカメラにも収められ、多くのネットユーザーが心を痛めた。
しかし、幸いにも、袁医師の体温は少しずつ下がった。容態が好転すると、居ても立っても居られなくなった袁医師は、自身が担当するICUに入院している患者の「遠隔治療」をすぐに始めた。同僚に、「自分が挿管した患者の容態はどうなっているか?」と何度も尋ね、検査結果を見せてもらって、ICU内から治療に参加した。「やっぱり自分の患者を放っておくことはできない」と話す袁医師は自分が治療を受けている間も、自分の病状を参考にしながら、どのように治療ガイドラインを改善できるかずっと考えていた。
幸いにも袁医師がずっと気にかけていた重症患者は、抜管して人工呼吸器から離脱した。その患者が誕生日を迎えた日、袁医師は、その患者がビデオ通話を利用して家族と誕生日を祝えるよう手配した。
隔離病棟の一室で、新型コロナウイルス感染の病状について説明している武漢大学人民病院呼吸・危重症医学科の主治医・鄒進晶医師は非常に元気そうで、しばらく前は同じく感染者の一人であったとは全く分からないほどだ。
鄒医師は1月17日に、発熱や咳などの症状が出て、感染が確認され、入院した。その知らせに、母親が涙を流しながら電話をかけてきたという。また、10歳の娘を心配させることがないようにと、病情が好転してから、ビデオ通話をして感染を伝えたという。
2月1日、鄒医師はPCR検査の結果が「陰性」になり、CT画像も病情が好転していることを示していた。そして、半月後、隔離観察が終わるとすぐに病院に復帰を申請した。そして2月24日には午前に回診をして、午後にはオンラインによる遠隔診察を行うという生活に戻った。
「病気になったら休み、治ったら仕事に復帰するという決定は当たり前のことで決して英雄的な行為というわけではない」と話す鄒医師は、現場復帰したことで精神的にも持ち直し、「仕事が私を必要としているのではなく、私が仕事を必要としているのだから」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年3月9日