米株式市場「サーキットブレーカー」発動 株価暴落の原因は? (2)

人民網日本語版 2020年03月10日14:19

海外メディアの報道によると、今月7日、サウジが欧州、東アジア、米国などの海外市場向け原油価格を大幅に引き下げ、下げ幅は過去20年で最大となり、海外石油精製企業によるサウジの原油購入を促そうとした。

三菱UFJフィナンシャル・グループのエコノミストであるクリス・ラプキー氏は、「原油価格引き下げの計画でより多くの現金が人々の手の中に流れ込むことになり、消費支出を牽引して経済を振興させることが可能になるが、この動きは株式市場が投資家に与える打撃を解消していないようだ。ウォール街の苦境は経済に悪影響を与える可能性がある」との見方を示した。

現時点で、ダウ平均の今年の累計下げ幅は14%を超え、ナスダックも9%を超え、&P500は13%に迫る。10年物米国債の利回りは初めて0.5%を割り込んで0.456%となり、過去最低を更新した。30年物米国債利回りは1%を割って0.870%になった。

暴落したのは米株だけではない

サウジは原油の輸出価格引き下げと大幅増産計画を明らかにして「価格戦争」を引き起こし、これに新型肺炎による需要の低迷といった要因が合わさり、9日には国際原油価格が主要取引市場の開始からすぐに30%以上値下がりして30ドルを下回り、これにより、世界の主要なリスク資産が大幅に値上がりした。

「価格戦争」などの影響で、9日はアジア・太平洋の株式市場が軒並み暴落した。日系平均株価が5.07%低下し、韓国総合株価指数は4.19%低下し、香港ハンセン株価指数の下げ幅が4%を超えた。欧州市場にも影響が及び、現時点で英国FTSE100指数は6.31%低下、フランスCAC40指数は6.49%低下、ドイツ株価指数は6.59%低下している。

海通証券のチーフエコノミストである姜超氏は、「金融市場がこれほど混乱した根本的な原因は、やはりグローバル経済に成長のエネルギーが不足していること、政策の可能性が限定的であること、これまでの株式相場が高すぎたことなどにある。こうした背景の中、突発的な状況が起これば、グローバル金融市場にはたやすく大きな動揺が起こる」と指摘した。

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