貸出の増加について、中国民生銀行の温彬首席研究員は、「4月になって、中国国内の新型コロナウイルス対策が目に見える成果を上げ、企業活動と営業の再開が秩序よく進められ、個人消費にも回復の兆しが見られ、特に不動産、自動車などの販売が第1四半期より目に見えて回復した」と指摘している。
自動車消費
中国自動車工業協会がまとめたデータによると、今年4月には自動車の生産と販売がどちらも200万台を超えており、基本的に感染症前の水準に戻り、販売は21ヶ月続いた減少局面に終わりを告げた。このうち商用車の生産・販売はいずれも50万台を突破して、単月の過去最高を更新した。
今年のメーデー連休には、北京、上海、長沙、鄭州など複数地域の4S店(ディーラー)に人々が殺到していた。商務部(省)の王炳南副部長は今月8日の記者会見で、「自動車や家電などこれまで消費を抑制され凍結されていた耐久消費財の売り上げが目に見えて回復した。メーデー連休には、重点モニタリング企業の自動車販売額が、上海市は前年同期比49.6%増、重慶市は同28.5%増、浙江省は同8.8%増となった」と述べた。
不動産市場の消費
一線都市の分譲住宅の取引量が急速に回復し、上海と深センでは価格1千万元(約1億5千万円)ほどの豪邸を列をなし争って買い求める光景がみられた。中原不動産研究センターの統計では、4月は一線都市の分譲住宅の取引量が前月比45%増加した。このうち上海は57%増加、深センは8%増加、北京と広州は似たような状況で、いずれも50%以上増加したという。
CRIC(克而瑞)研究センターの統計データでは、一線都市の上海と深センの富裕層顧客の購買力は依然として力強く、二線・三線都市は感染症で抑圧されていた住宅購入ニーズが一気に顕在化し、特に重慶、徐州、杭州、青島などの都市でニーズが大きく、同クラスの都市の中で上位に並んだ。
中原地産公司の張大偉チーフアナリストは、「全体としてみると、4月は各地の不動産市場の回復傾向が続き、北京、上海、広州、深センはいずれもはっきりとした回復傾向がみられ、不動産の量、契約件数はいずれも感染症前の平均水準に戻った。購入者が相次いで市場に流れ込んだだけでなく、不動産開発業者も一緒になって不動産熱をあおるようになった。不動産市場は春の陽気を迎えた」と述べた。