四川新網銀行の董希■(品の口が水)首席研究員は、「現在は不動産が回復しつつあり、新築物件も中古物件も取引は活発だ。これは中・長期『ローン』の増加と密接な関係がある」と述べた。
住宅ローンの大幅増加について、人民銀行や中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)などの監督管理当局はしばしばコメントを出してきた。銀保監会は先ごろ、ルールに違反して貸出資金を不動産市場へ投入する行為は断固として是正するよう求めた。人民銀行深セン市センター支店も先に、商業銀行は貸出資金が不動産分野に違法に流れ込んでいないか全面的な個別チェックを行うよう求めた。
一部の預金は投資・資産運用へ
董さんは預金の減少を分析して、「現在、中国経済は徐々に回復しているところで、消費が増加し、個人の投資や資産運用もやっと増加し始めたところで、預金はこれからさらに投資、資産運用などの分野に回されることになる」と述べた。
前出の温さんも、「今は資本市場の動きが比較的安定しており、ファンドの発行規模が増加し、預金の多くがファンド、資産運用、資本市場に流れ込み始めている。これも預金減少の重要な原因だ。このことは、証券会社や保険会社など銀行以外の金融機関の預金が増えていることに現れている」と述べた。
人民銀行のデータでは、4月には銀行以外の金融機関の預金が8571億元増加した。
また温さんによると、季節的要因や銀行預金の「つじつま合わせ」(目標を達成するために一時的に預金を増やすなどの行為)の影響で、過去数年間のデータでは毎四半期後の最初の月に世帯の貯蓄が減少しており、これは銀行の資産運用商品の発売時期の設定と大いに関係がある。通常は資産運用商品は四半期末の3月、6月、9月にバランスシートに記載され、預金として銀行に還流し、締めの時期を過ぎると資金は再び資産運用に流れるという。
データによれば、過去数年間の4月には世帯の貯蓄額が減少した。19年は6248億元減少し、18年は1兆3200億元減少し、17年は1兆2200億元減少した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月13日