馬雲氏と孫正義氏が互いに取締役を退任 背後には何が? (2)

人民網日本語版 2020年06月29日09:18

この日の面会で、孫氏はアリババに4千万ドルの投資を提案した。提案を聞いて非常に感激しながらも、馬氏はその提案を断った。その理由は、これまで最高でも200万元(1元は15.1円)の資金しか管理したことがなく、そんなにたくさんの融資を受けてもうまく使えないし、会社も問題を起こすだろうと考えたからだった。孫氏は3500万ドルに減額したが、馬氏はもう少し考えさせてほしいと回答。自分のチームと検討した結果、自ら日本へ赴き孫氏と再び協議したものの、投資額は確定しなかった。

最終的な投資額は1本のメールで決まった。「孫氏に提案したのは2千万ドルで、これに同意してくれたら融資を受けるし、だめなら融資は受けないと書いて送った。孫氏からの返事はたった一言『go ahead』(それでいこう)だった。インターネットが最も冷え込んだこの冬、私は孫氏を困らせたことはなかったし、孫氏も私を混乱に巻き込んだことはなく、私たちはお互いに信頼し合っていた」と馬氏は振り返る。

当時まだ創業初期だったアリババへの2千万ドルの投資は、ソフトバンクにとってテクノロジー企業に対する最も成功した賭けになったことは、後に証明された。

ソフトバンクは00年の2千万ドルに続き、04年にもアリババに4千万ドルの追加投資を行い、アリババ株の28%以上を保有した。05年10月、孫氏はアリババの取締役になり、07年5月には、馬雲氏にソフトバンクグループの10人目の取締役に就任し、重大な案件についての決定に参加するよう求めた。馬氏はこれまでソフトバンク取締役会で13年にわたり取締役を務め、孫氏はアリババの取締役会で15年間取締役を務めた。

投資失敗でソフトバンクが巨額の損失、アリババ株売却で「穴埋め」

昨年12月6日に行われた2019年東京フォーラムで、馬氏は孫氏について、「おそらく世界の投資家の中で最もガッツがある。彼ほど勇気がある人はそういない」と評価し、孫氏はこれを受けて、「そのガッツが損を生むこともあるけれど」と述べた。

アリババ株は現在、ソフトバンクが保有する資産の中で依然として最も価値があるものだ。孫氏はこれまで1度ならず対外的に、「できるだけ長くアリババ株を持ち続ける」と述べてきた。今年6月25日に行われたソフトバンクグループの今年の株主総会でも、孫氏は変わりなく、「ソフトバンクはできるだけ長くアリババ株を持ち続ける」と述べた。

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