資格を取ることは、中国の多くの若者にキャリアアップのために不可欠な要素と考えられている。中国青年報社会調査センターがこのほど問巻網(wenjuan.com)を通じ、働く人1515人を対象に行った調査によると、回答者の64.9%が「資格取得は仕事のプレッシャーを緩和し、より多くチャンスをつかむため」と率直に答え、45.8%が「明確な目標はなく、資格を取るために資格を取っている」との見方を示した。「中国青年報」が伝えた。
89.0%「資格取得はキャリアアップに役立つ」
現在、大学院2年生の馮琪佳さんは「周りの同級生の多くが資格取得に励んでいて、自分もこうした雰囲気の中、多くの資格を取った。一部の資格は相当の知識の蓄積が求められ、試験準備の中で専門的な能力を高めることができたが、一部の資格は問題を解くばかりで、これから仕事に役立つかどうかわからない」と話した。
金融業界で働く凌征さんは、金融リスク管理師の資格だけ取った。「キャリアアップの関係性と業界での認知度を考えている。衝動的に資格を取っても、キャリアアップには役立たない。試験のために使う時間を仕事の能力を着実にアップさせることに使った方がいい」と話した。
調査では、回答者の89.0%が「資格取得は自分のキャリアアップに役立つ」と答え、24.6%は「大いに役立つ」とした。比較分析によると、働き始めて1-3年の人は「役立つ」と答える割合が93.0%と最高だった。
「90後(1990年代生まれ)」の鄭雲薇さんは科学研究機関で働いて2年になる。「より多くの資格を取れば、気持ちの面で安心感が増す。キャリアアップに役立つかもしれないが、より重要なのは備えあれば憂いなしということだ」という。
64.9%「資格取得は仕事のプレッシャーを緩和するため」
働いて6年になる「90後」の朱麗娜さんは、「今の人材市場は競争が激しく、ふさわしいポジションを獲得するために、みんな資格を取得して履歴書を少しでも見栄え良くしようとしている。資格はある程度キャリアアップの可能性を広げ、キャリアライフに多様な選択肢を提供してくれるものでもある」と話した。
職場での資格取得ブームについて、回答者の64.9%が「資格取得は仕事のプレッシャーを緩和するため、より多くチャンスをつかむため」と答え、46.9%が「勉強を続けて、計画的に業務の技能を高めたいから」、23.7%が「仕事で昇進するために必要だから」とした。
朱さんは、「資格の勉強をしても余力があって、気力が十分にある場合、資格取得を通じて履歴書の『価値』を上げてもよいが、ひたすら数を増やすというのは賢明でない」との見方を示した。
凌さんは「資格取得ブームの現象はあまり理性的とは言えない。気力をより多く実際的な技能の向上に充てるべきだ。資格は履歴書に花を添えるが、数だけを追求するのは賢明ではない」と考える。
調査では、45.8%が「明確な目標はなく、資格を取るために資格を取っている」とし、44.0%が「研修機関の宣伝や誘導に従って取った。理性的ではない」との見方を示した。
鄭さんは、「資格取得ブームはだんだん冷めるだろう。みんないろいろな資格をもっていてもそれほど役に立たないことに気づけば、行動を変えるだろう。それで熱も冷めていく」と話した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年7月9日