中国、1000種熱帯植物ゲノム計画を始動

人民網日本語版 2023年02月13日13:39

1000種熱帯植物ゲノム計画が10日、海南省三亜市崖州湾科技城で始動した。このゲノム計画は世界の1000種類の熱帯特色商品植物のゲノムシーケンシングとゲノムアノテーションを行い、熱帯特有植物、絶滅危惧植物、熱帯特色果物、野菜、薬用植物、観賞植物、搾油原料、商品材木、特殊な生態価値を持つ種をカバーするとともに、1000種類の熱帯植物ゲノム及び遺伝多様性データバンクを構築し、海南熱帯雨林国家公園デジタル化管理システムを構築する。光明日報が伝えた。

同ゲノム計画は海南大学と貝納遺伝子科技有限公司が共同で実施する。中国農業科学院農業ゲノム研究所、南京農業大学三亜研究院、浙江大学三亜研究院、華南農業大学などが協力に参加する。

世界の熱帯植物は20万種を超え、高等植物の60%以上を占めており、かけがえのない生態的価値を持つ。主要食糧と商品作物と比べ、熱帯商品植物には利用の高いポテンシャルがある。従来的な育種が分子育種に切り替わる時代に、1000種熱帯植物ゲノム計画は将来の熱帯の生態環境の保護、熱帯の高効率な農業の建設に対していずれも重要な役割を果たすことになる。

海南の熱帯植物は遺伝資源が極めて豊富で、熱帯高等植物は5000種以上にのぼり、うち希少及び絶滅危惧植物は400種余りで、国家植物保護リスト1−2級保護植物は58種あり、重要な経済的・生態的価値を持つ。現在、世界的な熱帯商品植物の基礎研究は非常に遅れており、極めて高い遺伝多様性を持つ圧倒的多数の熱帯雨林植物と希少・絶滅危惧植物のゲノムの研究を強化する必要がある。今回のゲノム計画は海南の熱帯植物の希少性に基づき、その経済的・生態的価値と結びつけ、ゲノムの大きさと採取の難易度を参考にし、ゲノムシーケンシング及びゲノムバンク建設作業を徐々に行う。同時に一部の重要外来熱帯種を選び研究する。

海南大学と中国科学院北京ゲノム研究所(国家生物情報センター)は同ゲノム計画の始動式でさらに、熱帯作物ゲノム・分子育種ビッグデータバンクを構築し、国家生物情報モバイルネットワークの建設を共同でサポートすると発表した。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年2月13日

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