「世界人為的炭素排出・陸地生態系炭素収支のリモートセンシング評価科学報告書」が26日、北京市で発表された。同報告書は中国科学院航空宇宙情報イノベーション研究院(空天院)が筆頭になり作成されたものだ。衛星リモートセンシング技術を利用し、世界と主要国の人為的炭素排出・陸地生態系炭素収支状況を評価した。科技日報が伝えた。
同報告書によると、世界の温室効果ガス排出は効果的にコントロールされていない。過去10年間で大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が年平均約0.6%の増加ペースで上昇し続けた。新型コロナの流行中でも世界のCO2濃度の上昇傾向に顕著な低下は見られなかった。過去40年で世界の森林破壊の加速傾向に歯止めがかからず、森林面積が持続的に減少した。世界の土地利用の変化は年平均で約32億トンのCO2排出量を生み出し、化石燃料に次ぐ2位の排出源となった。
注目すべきは、中国が大規模な植樹・造林生態プロジェクトを実施したことだ。土地利用はカーボンシンク効果に変わり、毎年4億トン近くのCO2を固定し、世界の土地利用による炭素排出を効果的に減少させた。衛星に基づく同化・逆推定結果によると、過去10年で世界の陸地生態系は年平均で137億トンのCO2を吸収した。うち中国は13億トンで世界の約10分の1を占めた。世界の陸地土壌有機炭素貯留量も徐々に増加傾向を示し、過去40年で世界の土壌は毎年約13億トンのCO2を吸収した。中国は大規模な保護的耕作と生態管理措置を実施し、土壌の炭素固定のペースが最高になり、世界の約4分の1を占めた。
中国科学院院士で、空天院院長の呉一戎氏は、「このモニタリング報告書は、中国の積極的な省エネ・排出削減措置の成果が顕著に現れ、中国がこの10年でCO2排出の急増傾向から脱却したことを示している一方で、中国は大規模な植樹・造林を行い、農地を森林に戻し、伐採・放牧を禁止して森林を育て、保護的耕作を行うなどの積極的な生態管理措置を実施し、生態系の炭素固定能力が持続的に強化された。衛星モニタリングでも、中国の純炭素排出がこの10年近くで減少傾向を示している。これは中国のカーボンニュートラルの目標の重要な進展を物語っている」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年7月27日