中国のドキュメンタリーが「ローエンド制作」から脱却
市場規模は昨年15億元に 『中国ドキュメンタリー発展研究報告2013』(以下「報告」)は、中国ドキュメンタリー市場の急速な発展傾向をはっきりと示している。同報告は2009年から4年連続で発表されている、中国ドキュメンタリー産業に関する初の白書だ。
■ブランド元年、高まる投資熱
業界関係者によると、2012年は中国ドキュメンタリーのブランド元年と呼ぶことができる。『舌尖上的中国』によって中国のドキュメンタリーは誇らしいブランドを手に入れた。さらに喜ばしいのは、優れたドキュメンタリーが多数発表されたことだ。
「2012年に中国のドキュメンタリー作品は工業化、専業化、国際化へと向かい、ブランド化の傾向も現れた」。北京師範大学ドキュメンタリーセンターの張同道主任は「ブランドは工業化生産モデルと市場行動の成功を示すものであり、『舌尖上的中国』によって業界は真に公衆の目に触れる存在となった」と指摘する。
概算統計(衛星放送とドキュメンタリー専門チャンネルのみを計算)によると、2012年に中国のドキュメンタリーは本放送時間が計1万7500時間前後で、市場の総投資額は約13億元に達し、総収入額は15億元を超えた。「2009年の4億元、2010年の7億元、2011年の10億元、そして2012年の15億元と、ドキュメンタリー市場規模は4年間で4倍近くに拡大した」と張氏は指摘する。
「報告」は中国中央テレビ(CCTV)のドキュメンタリーチャンネルが市場の活性化、業界基準の確立を牽引する役割を発揮したことを示している。