宮崎駿監督の5度の引退宣言を振り返る 今回こそ本当?
第70回ベネチア国際映画祭の記者会見の場で、スタジオジブリの代表が日本のアニメ界の巨匠、宮崎駿監督の引退を表明したことは、世界に大きな衝撃を与えた。しかし、宮崎監督はこれまでに5回引退を表明した過去がある。今回は、その経緯を振り返ってみたい。揚子晩報が伝えた。
第70回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出された日本アニメ映画界の巨匠、宮崎駿監督の新作アニメ「風立ちぬ」の記者会見で、スタジオジブリの星野社長が突然、宮崎監督が引退することを発表した。もしかすると宮崎監督の引退は、監督が身を置くこの時代に対する失望によるものなのかもしれない。「風立ちぬ」の公開前に、宮崎監督は、「世界がギシギシ音を立てて変化している時代に、今までと 同じファンタジーを作り続けるのはもはや無理があると思った」と語っている。
かつて宮崎監督と2度にわたって対談をしたことがある作家、半藤一利氏は、「監督は引退したいという希望をこれまで何度も私に語ったことがある」と打ち明けた。半藤氏は、宮崎監督が今回引退を宣言した理由として、「日本の美しい自然と昭和時代の東京の風景がすでに現在のアニメでは描けなくなったことによる。宮崎監督は時代が絶え間なく変遷していく中、自分は心の中の美しい世界をもう再現する力がないと感じている」という見方を示した。