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茶芸学校で茶道について講義する渡辺英子さん |
-----日本人が中国人から学ぶべきものはありますか?
やっぱりそれはパワーでしょうか。活力というか、元気というか、何と説明したらいいのか難しいですが、日本人は物事に対してわりと整えてきれいにやろうとする傾向があると思うんです。でも、中国人はとりあえず目的があったら、そこに向かって突き進む力がある。日本人はきれいにできないと途中でやめてしまいますよね。もしかしたら時代的な影響から中国の若者も今後豊かになるとどうなるかわかりませんが、今の段階では強いハングリー精神をとても感じます。その時に子どもっぽいほどの強い生きる力は尊敬すべきところだし、我々が見習うべきところじゃないかなと思っています。
-----非常にエネルギッシュな生き方をされている渡辺さんですが、何か生き方のポリシーみたいなものはありますか?
それはとっても話すのが長くなってしまうし、自分のアイデンティティーに関わってくることだと思うので、説明がとても難しいのですが、もし簡単な道と難しい道と2つの選択肢が自分の前に用意されていたら難しいほうを選んでほしいと、子どもたちにもそういう風に言ってます。なぜかというと、多分、自分がどこまでやれるようになるのかを見てみたいんだと思うんです。そんなに能力もない、すごく優れた才能もないかもしれないけど、自分をどこまで鍛えられるかというのは、やっぱり誰でも見てみたいことじゃないですかね。でも、まぁそんなにたいしたことではない。楽しいからやっているんだと思いますけど。
-----今後の夢はありますか?
60歳になったときに、自分の家を改造して、小さな茶館にしたいと思っています。なぜ60歳かというと、私は翻訳がとても好きで、とても意義ある仕事だと思っていますし、ほかにも自分を必要としてくれる場所がある限り新しいことにも挑戦していきたいと思っています。なので、60歳になるまでは、翻訳を中心に仕事をしながら、時々中国茶を紹介する機会を作り、それ以降は中国茶だけに集中していけたらと思っています。
後記
3年間の北京留学から約20年の時を経て、渡辺英子さんは家族と離れて再び単身で北京にやってきたました。約20年間の中国の変化を身に沁みて実感したという渡辺さんは、「目標に向かっていく中国人の活力やエネルギーを日本人は見習うべきだ」といいます。でも実は、非常に楽しそうに、情感たっぷりに話をされる渡辺さんご自身が、中国人に負けないほどのエネルギーを放出されています。それは、とても前向きで優しく、力に満ち溢れています。現在の夢は、60歳になってから茶館を開くことだそうですが、恐らく、渡辺さんはその夢をいとも簡単に、楽しそうに実現されていくことでしょう。こういった前向きなエネルギーにあふれ、人生を楽しむことを知っている方が中国に来て、多くの中国人と交流されることから、中日友好は一歩一歩前進するのだと思います。今後は、茶芸を通じて、多くの方に中国茶の魅力を伝えていかれることを期待しています。
プチアンケート
・あなたの出身地は?
新潟県
・中国滞在歴
1989-1992年、 2011-2013年
計5年
・一番好きな中華料理は?
水煮魚
・中国で一番好きな都市は?
北京、杭州
・中国にあって日本にないものを1つ挙げてください。
熱気
・中国を漢字一文字で表すと?
紅
「人民網日本語版」2013年8月8日
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