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中国アニメ、品質・品位の向上へ 日本進出した作品も

中国産アニメ「魁抜」

 2012年に中国で製作された国産テレビアニメは計395本(22万2938分)で前年比14.66%の減少となり、オリジナルアニメの製作本数が2008年以来初めてマイナス成長となった。2012年にアニメを製作した中国企業は2011年より9社少ない約215社となり、これも初めてマイナス成長に転じた-----。3日に閉幕した杭州国際アニメ祭で発表されたこんな数字が注目を集めている。「中国経済網」が伝えた。

 しかし業界内では、こうした数字の落ち込みは悪いことではなく、逆に良い転機となる前向きな兆候としてとらえられている。「科学的な成長、理性の回帰とする見方の方が強い」。国家新聞出版広電総局宣伝管理司の高長力・司長は「『高品質、高品格、高品位』を掲げる国産アニメ製作は、中国アニメ産業の健康的な発展に向けたプラスのエネルギーを少しずつ蓄えているところだ」と指摘する。

 ■中国アニメ界に「高水準」を作り上げる

 杭州国際アニメ祭では、地元杭州で製作された3Dアニメ映画「昆塔」の予告編が公開され、万人受けするパッケージイメージ、夢を追う探検ストーリー、豊富な表情を描き出した画像などに対し、業界内でこれまでで最も「ハリウッドスタイル」を備えた力作だと称賛された。製作会社の浙江博采伝媒有限公司の李煉・総裁(中国10大広告ディレクターの1人)は「台本作りからポストプロダクションまで、我々は確かにハリウッドスタイルを見本として、オリジナルアニメを製作した」と語った。

 自社開発した全自動フレーム変換撮影機器KMOKE9や世界最新式3D立体テレビ・映画撮影技術やCG制作技術を駆使したほか、「昆塔」はハリウッドアニメ大作の製作メソッドを見本として、国内アニメ映画版と国際版の2本同時に公開するスタイルを国内で初めて作り上げた。李煉氏は「このため1億元(約16億円)の投資と、3年もの月日をかけてこのアニメ映画を製作した。一つ目の目的はアニメ映画製作の国際化の基準の過程を模索するためで、二つ目は国産アニメに自信を与えるような良い作品を作るため」と語る。

 中国アニメ学会の余培侠・会長は「製作本数はすでにある程度の水準に達しており、現在はいかに品質を高めるかについて真剣に研究・解決することに力を入れなければならない時期だ」と主張する。現在、業界内の課題として「品質の向上」がますます共通認識となる中、中国のアニメ産業はすでに自身による「浄化」作用が始まっており、製作本数や映画規模への重視から、アニメ作品の質や収益への重視へと転換している。

 中国で大人気の国産テレビアニメ「喜羊羊(シーヤンヤン)と灰太狼(ホイタイラン)」や日本に輸出された中国産の劇場版アニメ「魁抜」(KUIBA)、中国中央テレビ(CCTV、日本のNHKに相当)で好評放送中の「熊出没」、ネットで話題の中国3Dアニメ「秦時明月」など、いずれであろうと、他の先進国や観客の期待・要求との対比から言えば、中国の優れたアニメ作品の本数や影響力にはまだまだ差がある。

 しかし不断の努力と誠意に基づいて製作された近年の優れたアニメ作品は自身のブランドイメージを作り上げると同時に、中国アニメの信頼向上にも貢献している。(編集MZ)

 「人民網日本語版」2013年5月14日

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