円安を合図に日本の不動産を購入し賃貸にする台湾人が増加
台湾紙「中国時報」によると、日本の不動産市場は近年、高騰を見せているわけではないものの、円安を背景に、香港や台湾、シンガポールの投資家が積極的に不動産購入を進めているという。日本法人を設立し日本の不動産物件を仲介するサービスを展開する台湾最大の不動産仲介会社「信義房屋仲介」の内部データによると、今年上半期(1-6月)の台湾人の住宅購入成約件数が177件で昨年の通年件数を4件上回り、成約額は114億9500万円(約35億6千万台湾ドル)で昨年通年の85億2900万円を34.7%上回った。同社は、今年全体で同金額が246億4千万円(約77億台湾ドル)に達すると見込んでいる。中国新聞網が報じた。
日本の経済は「失われた20年」を経験したものの、世界の投資家は安倍晋三首相が展開している経済政策「アベノミクス」に期待を示し、日本の不動産に対しても過去より積極的に投資を進めている。
「信義房屋仲介」(日本)は、「台湾人による日本の不動産購入にも変化が出ている。これまでは、1100万台湾ドル(約3500万円)ほどの小さな物件を購入し、それを賃貸にするというのが主流だったが、今年は1億円以上(約3千万台湾ドル)の豪華物件購入が目立つ。今後の値上がりや家賃収入増加などに目をつけているのだ。台湾人に人気の1億を超える豪華物件の多くは、東京の立地条件のいい場所にある物件だ」と指摘している。
東京都民の住宅所有率は48%と、台湾台北市の88%を大きく下回っている。また、多くの日本人は、給料の3分の1を家賃に当てることをいとわない。このような文化の違いも後押しし、日本の不動産を購入し、賃貸にした場合の投資利益率は4-6%、そこから管理に必要なコストを引くと約2.5-3%になる。
ここ1年の同社の統計を見ると、台湾人が購入する物件のうち、中古物件と新築物件の比率が7:3から3:7に逆転し、新築物件が特に人気となっている。日本では、不動産の予約販売はほとんどなく、完成した新築物件を販売したり、建設しながら販売したりするケースがほとんどだ。同期間の台湾人が日本で購入した物件の平均価格は、昨年の1526万台湾ドル(約4800万円)から、1997万台湾ドル(約6400万円)に上昇した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年6月27日