目くらましを大いに弄する日本の「防衛白書」 (2)
白書はさらに日本を取り巻く安全保障環境は悪化の一途をたどっていると公然と誇張し、朝鮮によるミサイル発射や核実験などの挑発的行為、中国による日本周辺海空域での活動の活発化、ロシアによる頻繁な軍事活動等々を挙げ、日本自身の防衛力を強化する方針を初めて打ち出した。いわゆる島嶼防衛力の強化に関しては南西地域の島嶼部に沿岸監視隊を配置し、初動担任部隊の新編に着手するとして、防衛予算の増加、軍事力配備の拡大という目的の達成に躍起となっている。
是非を混同し、故意に耳目を驚かす白書の記述を通して、日本の海洋戦略の意図がはっきりと見えてくる。近年日本は国際秩序を守る「海洋大国」としてのイメージづくりに努める一方で、日米海洋覇権同盟を強化し、「汎海洋国家同盟」を積極的に構築し、「価値観外交」によってインド、オーストラリア、韓国、東南アジアの一部の国および太平洋島嶼国を仲間に引き入れ、海洋権益の維持という中国の正当な行為を全面的に抑え込もうとしている。日本はまた「船を借りて海へ出る」歩みを加速し、日米の対外干渉型軍事システムを積極的に構築し、米国のアジア太平洋リバランス戦略の助けを借り、日米同盟を頼りに、東アジアの安全保障秩序における自らの働きを拡大し続けている。
「中国の脅威」を誇張し、釣魚島および南中国海の問題で事態を拡大する白書の論調は、日本がその戦略目標を達成するためのステップと手法の1つに過ぎない。増加する一方の日本側の世論を惑わす無責任な姿勢表明と行動は、中日関係の大局を深刻に悪化させるのみならず、地域の安全保障環境も深刻に害するものであり、東アジア全体が警戒すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年7月10日