三中全会に提出する改革案、8つの重点分野
中共第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が11月に招集される。中国政府上層部のブレーン機関・国務院発展研究センターはこのほど、第18期三中全会に提出する「383」改革案総報告の全文を公表し、改革の詳細な「ロードマップ」を描き出した。中国新聞社が伝えた。
公表された情報によると、改革案の策定を担う国務院発展研究センター課題チームは李偉主任と劉鶴・国家発展改革委員会副主任を筆頭に、国務院発展研究センターのベテラン専門家複数で構成。いわゆる「383」改革案は「三位一体の改革構想、8つの重点改革分野、3つの関連改革」を含む中国の新たな改革のロードマップを指す。
報告は「中国経済・社会の発展には深いレベルの体制的、政策的弊害が存在する。第18回党大会の打ち出した2020年までに小康(ややゆとりのある)社会を全面的に建設するとの新たな指示と改革開放の全面的深化という新たな任務を達成するため、今後数年間で改革開放、経済発展方式の転換において具体的進展を遂げなければならない」と指摘。
「新たな改革は活力に富む、革新指向の、包摂的で秩序ある、法治の保障された社会主義市場経済体制の構築が目標であり、市場システムの整備、政府機能の転換、企業体制の革新という『三位一体』改革の推進が具体的措置となる」と強調した。
報告は「『三位一体』改革のカギは『政府と市場の関係を正しく処理』することにある。このためには行政管理体制、独占業種、土地制度、金融システム、財税制、国有資産管理体制、イノベーションシステム、および対外開放の8つの重点分野の改革を推し進めなければならない」と指摘。8大分野に関わる3つの大きな改革の突破口として以下を挙げた。
(1)参入を拡大し、外部の投資家を引き入れ、競争を強化する。
(2)社会保障体制改革を深化し、「国民基礎社会保障パッケージ」を設立する。
(3)土地制度改革を深化し、集団所有地を市場で取引する。
報告は改革の「タイムテーブル」も提示。改革を2013-2014年の短期改革、2015-2017年の中期改革、2018-2020年の長期改革の3段階に分けることを提案した。
■8つの重点改革分野
(1)管理体制
廉潔年金制度の構築