<企画>加速する中国の周辺外交
このほど、中国の周辺外交は加速している。外交活動の足跡を見ると、習近平国家主席と李克強総理は初の訪問国に、いずれも周辺国を選んだ。10月の初め、習主席と李総理は東南アジアを相次いで訪問した。10月22日から、中国と隣接するロシアのメドベージェフ首相、インドのシン首相、モンゴルのアルタンホヤグ首相がそれぞれ中国を公式訪問した。10月24日-25日、習近平総書記は北京で開催された周辺外交政策座談会に出席し、重要談話を発表した。
■習近平主席がインドネシア、マレーシアを訪問
習近平国家主席はインドネシア共和国のユドヨノ大統領、マレーシアのアブドゥル・ハリム国王の招待に応じ、10月2日から8日にかけ両国を公式訪問し、インドネシア・バリ島で行われるアジア太平洋経済協力(APEC)第21回非公式首脳会議に出席した。習主席の東南アジア訪問は初めてであり、善隣友好関係を一段と揺るぎないものにし、各分野の互恵協力を全面的に推進し、2国間関係の発展のビジョンを共同でまとめ、地域協力や関心を共有する国際問題について意見交換することを主な目的としている。>>>詳細へ
■李克強総理がブルネイ、タイ、ベトナムを訪問
李克強総理はASEAN議長国ブルネイのハナサル・ボルキア国王、タイのインラック首相、ベトナムのグエン・タン・ズン首相の招待で10月9日から15日にかけて3カ国を公式訪問するほか、ブルネイ・バンダルスリブガワンで開かれる第16回ASEANプラス1(中国)首脳会議、第16回ASEANプラス3(中日韓)首脳会議、第8回東アジアサミットに出席した。今回のASEAN関連会議の主要課題は地域の平和と安定を守り、金融リスクに適切に対処し、地域統合を推し進め、共同発展を図ることである。>>>詳細へ
■中国外交のキーワード「重点は近隣地域」
李克強総理は先日、中国・ASEAN博覧会開幕式で「近隣地域は常に中国外交の重点だ」と述べた。今年7月には王毅外交部長(外相)がASEAN外相会議で「中国は引き続き近隣を外交の優先対象とする」と述べた。中国は世界で最も隣国の多い国だ。非常に長い陸海の国境線を持ち、複数の国と陸上で国境を接し、あるいは海を隔てて相望み、複雑な近隣国情勢が中国外交の戦略と実力を試し続けている。このため一貫して「近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする」近隣外交戦略を遂行している。>>>詳細へ
■ロシア、インド、モンゴル首相の一斉訪中が物語るもの
ロシアのメドベージェフ首相、インドのシン首相、モンゴルのアルタンホヤグ首相が22日からそれぞれ中国を公式訪問する。中国の3つの隣国の首脳が、同じ日から中国を訪問する。このように密集した2国間訪問は中国外交の歴史において実に異例だ。中国新指導部発足後初の中露首相会談が行われた。中印両国首相による年内相互訪問は1954年以来だし、モンゴル新首相の訪中も初だ。3国首相の中国訪問は双方の戦略的パートナーシップに重要な影響をもたらす。>>>詳細へ
■中露関係
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■日本メディアの反応
朝日新聞は「中国外務省は『日程調整の結果に過ぎない』と説明するが、この異例の事態が様々な憶測を呼ぶのは必至だ」と指摘。「中国は日米などによる対中『包囲網』構築の動きを意識しつつ、周辺外交を加速させている」と報じた。日本の時事通信も「中国は隣国外交に注力している」と報じた。
中国の国際問題専門家、金燦栄氏は「日本メディアが中国の周辺外交加速を米日による『包囲』を念頭に置いたものと考えるのは、中国の抱負をやや過小評価している。中国の打ち出した新構想はより大きな枠組みによって米国の現有の小さな同盟システムを取り込み変化させるものだ。日本メディアは身長180センチの普通の人のようなもので、この高さのものが目に入らない。一方、中国は姚明であり、中国外交の視野は日本には見えないのだ」と述べた。>>>詳細へ
■習近平総書記:より緊密な共通利益網を構築
習近平総書記は北京で開催された周辺外交政策座談会で「わが国の周辺外交の基本方針は、近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする方針を堅持し、善隣、近隣関係の安定、近隣国の経済成長促進という方針を堅持し、『親・誠・恵・容』の理念を際立たせることである。周辺国との善隣友好関係の発展はわが国の周辺外交の一貫した方針だ」と指摘している。>>>詳細へ(編集YX)
「人民網日本語版」2013年10月30日