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第2次大戦時に中国兵に嫁いだ日本人看護婦 一生を贖罪に (2)

1945年秋の伊藤郁子さん。

 「私は25歳の時に解放軍山西リハビリ病院に異動になり、そこで愛情に巡りあった。」伊藤さんはそこで療養に来たある軍人と恋に落ち、同年結婚し、翌年には娘が生まれた。一家3人は1954年、江蘇省如皋へ移って定住した。

 中日国交回復後

 大平正芳外相と会見しても日本には戻らず


 中日国交正常化が行われた1972年の後、伊藤さんは27年ぶりに日本に帰省した。伊藤さんの訪日は日本全体でニュースとなり、東京の新聞社の多くがトップニュースとして扱った。「日本の大平正芳外相が私と会見し、もし日本へ戻って定住したいなら政府を代表して心から歓迎するとおっしゃった。でも私は笑顔のまま、態度は表明しなかった。」

 「病に倒れる前、年老いた母親は私に、帰国して最後の時間を一緒に過ごしてほしいと何度も訴えた。しかし私は夫と娘、私の仕事があり、無数の善良な中国人のいる中国を離れることはできなかった。」伊藤さんは母親に「私はこれ以上、肉親との別れを生み出すことはできない」と語ったという。

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