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故郷を離れて大都市で暮らす「老漂族」、ますます増加 中国 (2)

 叢さんはある日、偶然、マンションの敷地内で山東省のナンバープレートをつけた車を見つけた。その瞬間、心がぱっと明るくなって、言葉で言い表せないほどの親近感を抱いたという。この車はその後叢さんの精神的な拠り所となった。ほぼ毎日、そこに車が泊まっているかどうかを確認しにいくのだ。「ある日、車の方に女性が向かってくるのを見かけた。もし車の持ち主が男性だったら、タバコを一本手渡して、故郷の方言で思う存分しゃべれたのに」と叢さん。「一人っ子を持つ家族の多くは、子供の住む場所が、老人が今後住む家になる。周りの同僚や友達の中にも、故郷の家を売って、大都市で家を買い、子供たちと一緒に住む人がいる」と語る。

 これ以外にも、医療保障制度の未整備は故郷を離れて都市で暮らす人たちが病気や入院を恐れる原因となっている。特に、農村から来た老人はどこに行っても自分のお金を出さなくてはならない。

 ある心理学者は「老漂族」の精神状態は精神的空虚および心理的空虚にあると考えている。以前は、自分が家の中心であったのが、子供たちの家に住むことで、この価値観が崩壊し、それに取って代わって喪失感、孤独感、衰退感、うつ、焦りなどのマイナスの感情が生まれる。同時に、子供たちは仕事などで非常に忙しく、家に帰ってきても、両親と触れ合う時間も少ないため、老人はますます寂しさを感じる。自分に一番欠けているのは何の時間かという話題になると、多くの老人が言葉の交流が非常に欠けていると答える。「一日中仕事をしてきた子供は、帰宅したときにはすでにすごく疲れていて、話もしたくないようだし、私たちも多くを問わない」と李さんは言う。

 北京大学人口研究所の教授は「精神的な扶養問題はすでに高齢化社会において深いレベルで解決しなければいけない問題となっている」と指摘する。高齢化問題の専門家、穆光宗・教授は「社会保障制度の整備に従って、経済的には自分自身を養える能力をもつ老人が徐々に増えているが、老人は健康的な精神および心理状態を得ることを心から求めており、それに関してはいまだに満足を得られていない」と語る。「これは、まさに大多数の老人に見られる心理的問題の核心だ。特に家庭での老人扶養が主となる社会構造上、いかに地域社会で老人たちに精神的サポートを与えられるかという社会機能の問題は、緊急に解決すべき事項になっている」とし、解決方法として「子供としては、できるだけ時間を作って親とふれあい、話をすること。それが、親ができるだけ早く新しい環境に溶け込むための手助けとなる。また、親を周囲にいる同じ年代の近所の人に紹介し、新しい友達のコミュニティーを形成させたり、地域社会が実施している何らかの各種活動に老人を参加させることが大事」と語る。(編集MZ)

 「人民網日本語版」2012年11月20日

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