「私たちは『房奴(家の奴隷の意。住宅ローンに苦しむ人)』の第1陣。当時銀行で何百万元(数千万円)ものローンを組んで、住宅を十数件買っていた人は、ほかの人からは絶対に『狂っている』と思われていただろう。自分ですらそのように感じていたのだから」。徐芳(50代女性、仮名)さんは取材に対して、中国で不動産バブルが起きる前に不動産投資を行い、幸運にも大成功したいきさつを語った。上海証券ニュースを伝える「中国証券網」が報じた。
北京で生まれ育った徐さんは、不動産バブルとは何かがまだ知られていなかった2003年、親戚や友人と共に約100万元(約1200万円)を不動産に投資することに。自分と夫の貯金すべてをつぎ込んで、友人らと北京の東側区域にある3つの団地の住宅十数件を購入した。
徐さんは「当時、銀行がモーゲッジローンを扱っていたので、頭金は20%でよかったし、利率も低かった。それでも、住宅を十数件も購入したので、借金の額は3、4百万(約3600-4800万円)で、毎月の返済は4万元(約48万円)近くだった。あの頃の私たちの1カ月の給料は2000元(約2万4千円)程度だったので、周囲の人は『常識を逸脱している』と感じていた」と振り返る。
「当時、『不動産転がし』という概念もまだなく、私たちはただ、資産を増やすための道を探していただけ。あの頃、株の売場がブームになっていたけど、知識もなく、それには手を出すことはなかった」という。
毎月のローン返済に追われていたものの、徐さんらの投資は報われることになる。約4年たった07年、北京の不動産価格が急騰し始めたのだ。徐さんらは同年から08年にかけて、住宅3件を売却し、そのお金で銀行のローンを全額返済。多額の利益を得た。
徐さんらが当時購入した十数件の住宅のうち半分は今でも所有しているといい、不動産の過度の高騰を抑制するために、中国政府が現在、不動産の購入やローンなどに制限を加える政策を実施しているため、今のところ売却するつもりはない。「私たちが購入した住宅はどれも立地条件がよく、将来必ずもっと値上がりする。それに、今でも十分の家賃収入がある」
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