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東日本大震災2周年 増える「原発離婚」と被災者差別

 2011年3月11日に東日本大震災とそれに伴う東京電力福島原発の放射能漏れ事故が発生して以来、福島県民200万人の身に「離婚の危機」の影が忍び寄っている。震災以来、福島では夫婦関係がぎくしゃくしてしまうカップルが増え続け、離婚に至るケースも少なくなく、「原発離婚」という新語さえ生まれた。新聞晩報が報じた。

 詳細な統計データは発表されていないが、福島県いわき明星大学・久保法子教授(臨床心理学)は、これまでに数多くの「原発離婚」の事例が明らかになっていると指摘した。「夫婦がお互いに激しい焦慮感を抱いたまま長期間生活し、突然それが外に現れた時、彼らにはもはや関係を修復させる力は残っていない。多くの夫婦が『福島にとどまることについての是非』『放射能の危険に対する見解』『今後、安全に妊娠できるか否か』『放射能の脅威からいかに子供を守るか』などについて、さまざまな議論を重ねた末、離婚に至っている。極めて敏感なこれらの問題で意見が平行線をたどった時、解決のための折衷案がどうしても見つからないケースは往々にしてある」と久保教授は語った。

 また、久保教授は「人々が団結して互いに助け合う『震災後ハネムーン期』が終わり、それに代わって『心理的ダメージ』が、長期間にわたり被災者を襲っている」と指摘した。放射能被害が深刻だった地域では、うつ、過度の飲酒、賭けごと、家庭内暴力などの問題がだんだんと目立ち始めている。問題は、大人だけではなく子供達にも及んでいる。2012年末、福島県児童の肥満率が初めて日本一になった。この主な原因として、放射の危害を避けるために外で遊ばず屋内で過ごす時間が長くなったこと、親が子供を慰めるために与える「おやつ」の量が増えたこと、などが挙げられる。

 さらに深刻な問題がある。日本の社会で、福島県人に対する差別問題が、ますます深刻化していることだ。この差別は、第2次世界大戦期に原子爆弾が投下された広島・長崎の被爆者や氏孫に対する差別と同列で論じられている。福島の男性は職を見つけられず、福島の女性に縁談話を持ち込むのが避けられる。その唯一の原因は、彼らが「放射能で汚染」されているのではないかという心配だ。さらには、福島県民が献血を拒否されるとか、求職時には放射能被ばく度が基準値を越えていないという医師による証明書が必要、といったデマまで流れている。

 東京のある産婦人科病院では、新生児の母親に対し、赤ん坊の身体的安全を守るため、「福島に居住している祖父母と孫を会わせないように」というアドバイスまでしているという。被災地に住む女性に対する偏見は、最も頻繁に見られる。各種メディアやネット上には、彼女らに対するマイナス評価が大量に出回っており、酷いものになると、とりわけ出産について、彼女らを「欠陥のある女性」呼ばわりしている。

 日本の有名な反原発活動家・池屋芳文氏は昨年、「福島県民は、将来子供を持つべきではない。なぜなら、生まれてくる子供に障害や奇形が現れる可能性が高いからだ」と公言した。この発言は、被災者に対する外部者の差別の最たるものといえるだろう。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年3月11日

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