清明節の墓参りも現代化が必要
【中日対訳】 親の喪に礼儀を尽くし、先祖の祀りに誠意をこめる-----。中国人の魂に刻まれている思いだ。4日は清明節(日本のお盆に当たる)で、お墓参りをして先祖を祀るには絶好の機会だ。一方、四川省では、墓参りの際の火の不始末による山火事が80件以上発生したり、中国では死者に紙を燃やして「お金を送る」という習慣(焼紙)に目を付けた業社が、死者に送るための「iPhone」を紙で制作し販売したりするなど、先祖に対する思いの表し方や、伝統の継承の仕方が話題になっている。人民日報が報じた。
墓の拡張や焼紙、爆竹。清明節に行われる儀式の背後には中国の伝統的な世界観、倫理観があり、文化の強固な基礎となっている。しかし、時代が移り変わるにつれ、中には変革を必要とする習慣もある。最近中国でも深刻化している大気汚染は、爆竹の弊害を明らかにし、耕地の減少により、葬儀や埋葬の方法も変革が迫られている。また、山火事やゴミの散乱といった問題のほかに、先祖に送るための紙制の「美女」や「携帯」に大金を使う若者が登場するなど、先祖を祀る儀式が自身の富を自慢する場、しいては騒動の原因にさえなり、「心の汚染」を浮き彫りにする場ともなっている。
清明節の墓参りは本来、先祖に対する感謝や敬意を表すためのものだ。その方法はいろいろあるだろうが、心に秘めるものは変わらないはずだ。現在、中国では、紙を燃やす代わりに生花を先祖にささげたり、木を墓の周りに植えたりする人が増加しているほか、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」を使った墓参りや自分の近況や悩みを死者に伝えるメールボックスが人気となっている。このような方法は環境にも優しく、時代の流れや社会の要求にもマッチしている。先祖を思い、感謝し、敬意を捧げる心があれば、紙の代わりに花、爆竹の代わりに音楽、墓までの遠い道の代わりにインターネットを使用しても良いはずだ。そうすれば、清明節は、環境にとって「清く」、かつ心も「明るい」という、一層意味深いイベントになるに違いない。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月3日