中国、ホワイトカラー新基準が話題 月収30万円に余暇
中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」に投稿された「ホワイトカラーの新基準」がこのほど、ネット上で話題になっている。同基準によると、「ホワイトカラー」と呼ばれるには、月収2万元(約31万8千円)以外に、マイホームやマイカー、十分な余暇なども必要で、多くのネットユーザーが「プレッシャー」と悲鳴を上げている。広州日報が報じた。
近年、中国では物価や不動産の高騰が続き、普通のサラリーマンの収入では、生活費を賄えないという人が多くなっている。そのため、「給料日に家賃の支払いやローンの返済、生活費を取り分けると、もう何も残っていない」というホワイトカラーも多い。
ホワイトカラーの一人、王さんは手取りで月収が1万元(約15万9千円)以上と、中国の平均月収を大きく超えている。それでも、ここ10年、ほとんど昇給しておらず、生活上のストレスは大きくなるばかりという。「家のローンの返済だけでも1カ月に6000元(約9万5400円)。そのほか、車の維持費に約1千元(約1万5900円)。子供の教育費や家政婦の費用に3000元(約4万7700円)。さらに、高齢の親にも生活費を渡さなければならない。そうなると1円も残らない。妻も働いているから、なんとか収入と支出が同じ状態を保っているが」と苦しい現状を訴える。そして、「私たちは社会で最も下流というわけではなく、政府にもっとなにかをしてほしいというわけでもないが、物価や不動産価格の上昇と共に、収入も上がってほしい。そして、急速に発展する社会のペースに着いて行きたい」としている。
一方、大手国営企業で広告を担当して3年という耿さん(女性)は現在の月収が4千元(約6万3600円)。「異動もないし、給料は800元(約1万2720円)上がったけど、家賃も300元(約4770円)上がった。それに、他にも物価が上がっているから、全く意味がない。本当に生活費以外何も残らない」と語る。
では、ホワイトカラーの負担が大きくなる一方である原因はどこにあるのだろう。中山大学(広東省)嶺南学院財税学科の林江・主任は、「2011年に税改革があった時、中・低所得者の負担は軽減されたが、ホワイトカラーの利益は考慮に入れられていない」と分析している。