「心の早期老化を自認」7割 住宅価格高騰などが原因
少し前に「人民日報」に掲載された評論が、ネット上で話題になっている。評論では、中国の「80後(1980年代生まれ)」の「早期老化」現象をテーマに、無気力で年寄り臭い若者が巷に溢れ、若者特有の活気や気概が欠けている現状が指摘された。重慶晨報が伝えた。
重慶晨報社会調査センターはこのほど、騰訊(テンセント)大渝網・966966公共サービスセンター・ホットラインと共同で、4030人の重慶市民を対象としたオンライン調査を実施した。調査の結果、「心の早期老化が進んでいる若者が多い」と感じている人は、全体の92%に達した。また、「自分はある程度、心の早期老化状態にある」と自認している人は73%と、7割を上回った。
○専門家:「80後は上の世代ほど勇敢ではないが、90後ほどクールでもない」
若者の「心の早期老化」は、具体的にはどのような現象となって現れているのだろうか?この問いに対し、「何かにつけて昔を懐かしむ。自分が年を取ったと嘆く。さまざまなことに好奇心を持つことがなくなった(52%)」が最も多かった。このほか、「物質ばかりを追求し、ロマンや精神性に欠けている(20%)」「若いくせに如才の無さだけはしっかり身につけ、不屈の精神や気勢がない(17%)」「小金持ちになれば安心だと信じており、奮闘精神やガッツに欠ける(11%)」などが挙がった。
80後は、自分の殻を打ち破り、自己実現を目指す気持ちを持っている一方で、夢を見るよりも地に足をつけ、公務員になるのが一番だとも考えている。最初は専門分野を究めることに理想を燃やしていたのに、途中で「選択を間違えた」と嘆く。真心と愛さえあれば大丈夫と思う一方で、雑事に心を悩ませる。心理学者は、「1980年代生まれは、上の世代ほど勇敢ではない。というのも、上の世代の多くは、自分が世の中で勝ち残っていくために、自己実現うんぬんを考える暇などなかったからだ。かといって、90後(1990年代生まれ)ほどクールでもない。1990年代生まれは、自分の個性を極めて重視しており、他人や社会の眼はほとんど気にしていない」と分析している。
○高騰する住宅価格、教育問題、物質中心主義全てが原因
上述の調査では、「心の早期老化」の原因として、回答者の43%が「高騰する住宅価格など、生活においてストレスが大きすぎるため」、25%が「家庭や学校が若者に対し、回り道をするな、間違いを犯すなと常に教え込んでいるため」と答えている。