朝トレ後、清掃ボランティアにいそしむ外国人 武漢
鼻が高く瞳の青い老人が、武漢の沙湖公園で毎朝、腰をかがめてゴミを拾っている。時折、公園の係員と中国語で挨拶を交わす。中国で清掃作業に携わる外国人? いいえ、彼は、ミッキーさんといい、公園清掃の奉仕活動を続けているのだ。武漢晩報が伝えた。
20日朝、沙湖公園の正門に、この外国人ボランティアがいた。頭に麦わら帽子をかぶり、手に小さな赤いバケツをぶらさげ、紙ばさみで地面のゴミを拾っている。1時間くらい拾えば、バケツ5杯分のゴミが集まるという。
今年67歳になるミッキーさんは、米国ワシントン出身で、引退するまで中学・高校の教員を務めていた。6年前、今の奥さんである中国人の宗さんとネットを通じて知り合い、2008年に米国から武漢に来て結婚、沙湖近くの水岸星城に居を構えた。その後、英語研修機関で教師をしていたが、2010年に胃がんを患い、治療のために夫人とともに一旦米国に帰国した。今年4月、2人は再び武漢に戻ってきた。
沙湖公園が先月、試行開園をスタートした。ミッキーさんは同園の素晴らしい環境を大変気に入り、毎朝欠かさず、トレーニングのためにやって来た。しかし、あちこちに捨てられるゴミを見て彼は大変落胆し、「どうして所構わずゴミを捨てるのか」とつぶやきながら、ゴミを拾って始末するのだった。彼は友人からゴミ拾い用道具を借り、毎朝、太極拳のトレーニングが終わると、ゴミを拾って回った。誰かが地面にゴミをポイ捨てしようとしているのを見つけると、追いかけて行き、「ゴミは私に下さい。私が片付けます」と拙い中国語で話しかけた。
ミッキーさんは、公園の正門周辺約200平方メートルの清掃を行っている。ゴミ拾いのほか、放置自転車や駐輪禁止エリアに停められている自転車の管理も行っている。公園側は、ミッキーさんに報酬を出すと申し出たが、彼はやんわり断った。「私は雷鋒が大好きです。大変素晴らしい人だったが、残念なことに、年若くして亡くなってしまいました」とミッキーさん。
ミッキーさんは、自分のことを「中国の娘婿」と吹聴している。また、武漢訛りで「お茶をどうぞ」と人に勧める。さらには、武昌と漢口の訛りの違いを聞きわけることができるという。
ミッキーさんは、「米国に住んでいた時の隣人も、ボランティアで路上のゴミを拾っていた。決して金銭的報酬が目的ではない。彼は今でも、ボランティアを続けているだろう」と話した。
沙湖公園管理処の趙主任は、「今年5月25日に試行開園を始めてから、公園側と徐家棚街の共同組織・管理のもと、近隣住民約100人が公園管理ボランティア隊を自発的に立ち上げた。ミッキーさんは、そのうち唯一の外国人ボランティアだ。彼は、週5日欠かさず園を訪れ、園内環境・秩序の保護に務めるだけではなく、園の従業員に熱心に英語を教えてくれる。皆彼のことが大好きだ」と語った。
ミッキーさんは、道路を歩いている時でも、ゴミが落ちていたら必ず拾っている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年6月21日