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母親に圧し掛かる大きな負担 法律・制度面でも改善必要

 「中国で良い母親になるための基準:スーパーに行けば買い物上手、子供の学校でも卒なくこなす。ピアノや将棋に詳しく、書道や絵画も得意。しっかり働き、生活費や学費をしっかり稼ぐ」--。ネット上で最近、このような「母親の新基準」が話題になっている。やや冗談めいているこれらの基準だが、多くの家庭で子供と親が実際に抱える焦りや不安を反映していると言える。今の子供は、ピアノ・将棋・書道・絵画・数学オリンピック・文法など全ての面に精通しなければならず、親は親で子供の習い事の費用を稼ぎ、共に遊び、おいしいご飯を作れなければ、「親として合格」とは言えないのだ。そして、こうしたプレッシャーや負担の多くは往々にして母親に圧し掛かることになる。子を持つ女性の多くは重い負担に耐えられず、夫や教師・社会からの救いの手を必要としている。貴陽晩報が伝えた。

 社会の変遷に伴い、女性が担当する分野も多様化している。経済的にもますます独立し、女性は今や、労働者、ホワイトカラー、大学教授、官僚にいたるまで、どんな職業もこなせるようになった。しかし、女性の社会的役割が増える一方で、伝統的な家庭内での役割が減ったわけではない。「女性は家で子供を育て、家事をするべき」という伝統的な考え方と、「女性は経済的に独立するべき」という現代的な考えが衝突した結果、女性は往々にして「家の中でも外でも頑張らなければならない」状態に陥ってしまう。妊娠・出産に伴う身体的なストレスはもちろんのこと、家事・子育て、さらに経済面でも家計を助け、仕事をして家族を養わなければならないのだ。多くの女性は長期的に「過負荷状態」にあり、このままでは家庭や結婚生活の矛盾が生じ、最終的には家庭崩壊をもたらしかねない。

 欧米の先進国では、離婚に伴い高額の慰謝料が発生し、妻もしくは夫の今後の生活費が保障される。日本では、夫の定年退職後に離婚する場合、専業主婦である妻は、サラリーマンだった夫よりもお金持ちになる。これらは全て女性を保護するため、あるいは「家事労働」の価値を保護するためと言える。これに対し、中国の既存の法律は婚姻関係における家事や育児などの労働の価値について全く考慮しておらず、例えば結婚前に夫婦の片方が購入した不動産は、結婚後何年が経とうとも夫婦の共同財産にはならない。これは女性(あるいは夫婦のうち家事負担の多い方)の家事労働の価値が全く無視され、仕事や不動産など実際に金銭的価値があるものしか認められないということを意味する。女性の家事労働の価値を否定・軽視するこのようなやり方は、家庭にとって極めて大きな損失となる。

 中国の社会において、母親は余りにも大きなプレッシャーと負担を抱えている。女性の負担を軽減するためには、男性が積極的に考え方を変え、より多くの家事や育児を負担する必要があるほか、社会全体が法律・制度面から女性を保護し、家事労働の価値を守る必要がある。上述の悩みのほかに、病気・離婚・年金・老後などの悩みにも直面しなければならない母親の一生を、骨折り損のくたびれもうけに終わらせてはならない。(編集SN)

 「人民網日本語版」2013年11月13日

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