北京のエイズ感染者、年20%増
12月1日は26回目の「世界エイズデー」だ。北京市衛生局が28日に発表した統計データによると、10月31日の時点で、HIVウィルス感染者(未発症者と患者)の数は累計1万5183人に達し、うち成人4349人と子ども12人が治療中という。感染者の数は年20%のペースで急増しており、特に男性同性愛者の増加が目立っている。北京晨報が伝えた。
○感染者総数、1万5183人に
北京市で全国初のHIV感染者が報告された1985年から今年10月31日までの間に、HIV感染者は累計1万5183人に達した。このうち北京戸籍所有者は3164人と、全体の20.8%を占めた。
北京市愛国衛生運動委員会の張建枢・副会長は、「今のところ、市内のHIV感染者数は明らかに増加している。2008年から2012年までの感染報告によると、北京におけるHIV感染者の平均増加スピードは平均24.3%で、感染者報告数は増加の一途にある」と指摘した。
増加の原因のひとつは、感染者総数が増加していることにある。このほか、2011年から、市内の2級以上病院で無料のHIV検査が開始されたこともある。現在報告されている感染者の7割は、この無料検査で感染が見つかったケースという。検査方法が簡便化されたことも、自ら検査を受けようとする市民が増えた一因で、客観的に見て、HIVウィルス検出率を高める結果となった。
○同性間の性的接触による感染が拡大
HIV感染者のうち流動人口が占める割合は高い状態が続き、性的接触による感染が、北京市における主要感染ルートになっている。最近わずか5年間で、性的接触による感染の割合が41.5%から96.7%まで上昇した。同市のエイズ感染情況において、もう一つの大きな特徴は、男性同性愛者間の性的接触によって感染するケースが極めて多いことだ。2008年から今年までのHIV定期モニタリング調査の結果、北京市では、男性同性愛者間の性的接触による感染の割合がとりわけ高く、ここ数年は、高水準と呼べるレベル5%を大きく上回り、2013年には10%に達した。その上、これらの人々がHIV検査などの公共衛生サービスを受ける割合は極めて低く、彼らがハイリスクを抱えているという現状を改善することは、困難を極めている。
○微増する60歳以上の感染者
このほか、北京では60歳以上の高齢者市民のHIV感染報告が、ここ数年増加傾向にあり、2007年は17人だった感染者が、2013年(1‐10月)には80人に増えた。
60歳以上の感染者の感染ルートは、性的接触によるものが98.8%を占めた。
市内16県・区には、HIV検査を行う機関があり、計213カ所に達した。このほか、市内全体で8カ所のHIVスピード検査所、59カ所のHIV無料検査実施機関を設けた。10月31日の時点で、市内に4カ所ある指定治療病院で、累計4779人のHIV患者に対する治療が無料で行われ、成人4349人と子ども12人が現在も治療中という。市内に長期間居住しているHIV患者は、無料で治療を受けることが可能で、市内のHIV患者全体の61.9%を占めている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月29日