中国誌「小康」はこのほど、清華大学メディア調査実験室と実施した「2013中国幸福指数調査」をまとめた。「中国人の幸福感に影響を与える10大要素」のトップは「健康」だった。2位は「家族関係」で、昨年トップだった「収入」は3位に「転落」した。では、同結果は中国人の「本音」を反映しているのだろうか?荊楚網が報じた。
中国人の幸福感は年々上昇
同調査によると、回答者の70.8%が現在の生活は「幸福」と回答した。11年は、60.2%、12年は60.6%だったため、中国人の幸福感は着実に上昇していると言える。
幸福感に影響を与える要素ランキングでは毎年、健康や家族関係、結婚、收入、仕事、社交、個人の能力、学業・学歴、家庭背景などが、トップの座をめぐって「熾烈な競争」を演じている。うち、11年のトップは「健康」で2位が「收入」、3位が「家族関係」だった。そして、12年は、1位と2位が入れ換わり「收入」がトップ。3位に「結婚」が入った。
そして今年、「健康」が再び「收入」を抜いてトップの座を奪還した。特筆すべきは「家族関係」が2位に入り、「收入」が史上初めて3位に転落したことだ。以下、「結婚」、「仕事」、「社会保障」、「社交」、「個人の能力」、「環境」、「住宅」と続いた。昨年まで2年連続で5位だった「住宅」が10位になったことも興味深い。
年齢層によって幸福感に差
今年の同10傑のうち、中国人が最も満足しているのはどの要素で、最も不満足なのはどの要素なのだろう。同調査によると、中国人が最も満足しているのは、「身体の健康」で、「家族と一緒にいる時間」の満足度も高かった。一方、「マイホームの所有」や「愛」、「収入」、「自己の実現」に対する満足度は「普通」で、「信頼できる友人がいる」、「生活環境」、「安全な食品」、「社会の安全」などには、あまり満足していなかった。
ただ、年齢層によって、幸福の感じ方に差があるようだ。まず、90年代生まれの若者が最も耐えられないのは、「孤独」で、「お金が足りない」や「体調が優れない」、「失恋」、「嫌いな仕事をする」、「親友が少ない」などの要素が同年代の若者を「幸福でない」と感じさせる。80年代生まれが最も耐えられないのは「忙しい・疲労」で、「お金が足りない」や「体調が優れない」のほか、「仕事による過労」が同年代の人を「幸福でない」と感じさせる要素になっている。70年代生まれが最も耐えられないのは「不幸な結婚生活」。同分野が「自分を不幸にする要素」のトップ2に入ったのは同年代だけだった。60年代生まれが最も耐えられないのは「疲労困憊」。「お金が足りない」以外の「体調が優れない」、「嫌いな仕事をする」、「仕事がたいへん」、「睡眠の問題」など同年代の人を「幸福でない」と感じさせている要素はどれも、「疲労困憊」と関係がある。最後に50年代生まれにとって最も重要なのは「子供の仕事が順調か」。子供の仕事に満足できない場合、同年代の人は不幸だと強く感じる。
7割「今後もっと幸福になる」
では、どうなると「幸福感」が上昇するのだろう?回答者の半数以上が、「給料がアップ」すれば幸福感が上がると答えた。また、回答者の多くが、「不動産価格の低下」、「医療保険水準の向上」、「老後の保障の水準の向上」、「教育への資金投入拡大」などが、幸福感を上げる要素との見方を示した。心理カウンセラーの甘劼氏は、「中国の社会は現在、大きな転換期を迎えている。人々の物質に対する要求が高くなり、社会の転換が物質の追求を可能にしている。加えて近年、インフレや不動産の高騰、消費水準の向上などの要素が重なり、幸福感となると、ほとんどの人がまず『お金』関連の要素に注目する」と分析している。
同調査によると、回答者の71.7%が、「今後はもっと幸福になると信じている」と答え、「今よりも幸福になるとは信じられない」との回答はわずか13.7%だった。「分からない」との回答も14.6%あった。「小康」がさらに、回答者に「不幸になる」主な原因について分析してもらうと、最も多かった回答が「安心感の欠如」だった。以下、「満足しないこと」、「見栄の張り合い」、「信頼の欠如」、「過度の心配」、「理想がない」、「信念の欠如」、「ネガティブ」、「愛することを知らない」、「他の人のために何かをすることを知らない」と続いた。 (編集KN)