○技術職の約半数、「管理職に昇格希望」
エンジニアの廖岩(仮名)氏は、重慶の某国有企業で10年近く技術職の仕事に就いているが、一向に日の目を見ないと感じている。彼は、「職場でこの前、管理職1名の内部募集があり、10人以上の従業員が応募した。そのほとんどが技術職だった。技術職は、残業が多い割には、収入や仕事の快適度という点では、管理職に遠く及ばない。さらに、仕事に対する達成感もほぼ皆無だ。誰もが『管理職』の座を狙っていると思う。社会には『ポスト第一主義』の考え方が蔓延しているだけではなく、多くの企業が技術職員に対する評価をなおざりにしている。昇格をはじめ将来の問題について考えた時、誰もが『管理職のポストさえ手に入りさえすれば、なんとか明るい未来が開ける』と感じるのは当然だ」と話した。
調査によると、技術職員の半数近く(48%)が、「転職後は、管理職のポストにつきたい。技術職はもうこりごり」と回答した。管理職の8割近く(78%)は、「転職後も管理職に就きたい」とした。管理職というポストはなぜこれほど魅力的なのだろうか?重慶智成人材市場・市場部の王浩マネージャーは、「主な原因として、伝統的業界(製造業・電子・ホテル業、販売業など)の内部に、管理職を重んじ現場を軽んじるなど、従業員に対する待遇の不公平が存在していることが挙げられる」との見方を示した。
○「割の合わない技術職は、若いうちしかできない」
廖岩氏は、その内部募集の管理職登用試験に失敗した。登用試験に失敗したのはこれで3度目という。彼は、「技術職で最高レベルのエンジニアでも、月給はせいぜい2千元(約3万5千円)。だが、仕事の量は倍以上になり、プレッシャーは非常に大きい。一方、管理職は、精神的なプレッシャーは大きいかもしれないが、徹夜や残業は無く、給与は最高レベルの技術職の約2倍だ。管理職の魅力はあまりにも大きい!」と強調した。
調査によると、「技術職の仕事上のプレッシャーは極めて大きいが、薄給で、地位も低く、前途も無い。こんな割の合わない仕事は、若いうちしかできない」と答えた人は67%に達した。
ある外資系情報技術会社に勤務する張化氏は、「一部先進国のエンジニアは、髪に白いものが混じる年代になっても、技術職を続けている上、大きな発言権を持っている。一部の管理職は、戦略を決定する上で、彼らの提案を無視する訳にはいかない。一方、中国では、多くの企業の技術職員は、『歯車の一つ』という存在に終始する運命にある。彼らがどれほど素晴らしい技術を持っていようとも、収入や地位の面では、管理職に遠く及ばない」と指摘した。
張氏は、「技術畑と現場の従業員は、会社にとって核となる存在だ。彼らを尊重して初めて、企業の速やかな進歩が実現できる。従って、企業は、技術職員の育成と奨励を重視し、彼らに相応の報酬と地位を与えるべきだ」と続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月31日