2014年3月17日  
 

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「利益重視」「腹を割って話せない」、ファースト・フード化する友情

 2014年03月17日08:30
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 少し前、「我々は一生、本物の友情と出会うチャンスはない」という微博(ウェイボー)への投稿が話題になった。「あなたの友人の多くは、あなたのことを心底必要としている訳ではない。たまに連絡してきたと思ったら、それは金欠でお金を貸して欲しいか、『結婚します』の報告だ」という内容の同投稿をめぐり、ネットユーザから続々と賛同のコメントが寄せられた。今の友情は、ファースト・フードと同じで、元旦のショートメッセージで新年の挨拶を交わし、スマホ向けチャットアプリ「微信(WeChat)」の友人圏で「いいね」ボタンを押すだけの関係。見たところ素敵な友達に囲まれているようだが、心は虚ろというのが実態のようだ。生命時報が伝えた。

 携帯電話や微信などの通信ツールが普及したことで、人と人とのコミュニケーションは、時間的・空間的にぐんと縮まった。だが、皆が寝静まった夜更けに微信の電話帳を開いた時、そこに腹を割って話ができる友人が一体何人いるだろう?このような現実に直面すると、我々は、「自分には本当の友人と呼べる人がいるのだろうか?」と自問してしまう。心理学専門誌「心理月刊」が3601名を対象に行った調査によると、「自分の生活に最も大きな影響を及ぼしているのは友人で、家族や配偶者より影響度が高い」と答えた人は全体の35%に達した。また、69.2%が、「友情は愛情より大切」と考えていた。この結果は、極めて予想外であると同時に、理にかなってもいる。その原因として、人口の流動性が高い現代生活では、多くの若者が両親と離れて生活しており、伝統的な家族観が弱まってきたことが考えられる。離婚率は高い状態が続き、「共に白髪となるまで添い遂げる」という従来の結婚観は崩れかけている。このような状況から、孤独な人々は、「より現実的な友情」を強く求めるようになった。

 誰もが切に友情を求めているのに、「本当の友人ができない」と感じているのはなぜか?第一に、人は成長するにつれ、家族環境、労働環境、生活圏などが変化する。心理学専門家は、「人のエネルギーには限りがある。他の事に気を取られて友人関係をないがしろにしていると、その友情関係は脆くなる一方だ」と指摘した。次に、社会の変化期にさしかかっている現代は、利益が絡む人間関係が少なくないため、誰もが相手の腹を探り、自分の身を守らざるを得ない。生活はますます派手になるが、以前と比べ、我々が求めるいたわり、肯定、支援を、友人から得ることが困難になっている。最後に、社会のリズムが加速しており、食事を取っても急ぐあまり十分に味わえないのが、今の日常生活だ。わざわざ時間を作って友人とお茶を飲み、心の中のさまざまなことを打ち解けて話す時間を取るなど「もってのほか」という訳だ。人々の流動性が激しいことも、交友関係が目まぐるしく変わる一因となっている。

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