日本の料理人は、「味」だけでなく、美しく繊細な「盛り付け」にも特に注意を払う。その卓越した技で創り出される絶品は、味覚はもとより視覚でも楽しむことができる。環球網が報じた。
日本では古くから料理の「味」と「盛り付け」のバランスが追求されてきたことは、日本が古代に中国文化を取り入れたことと深い関係がある。例えば、唐(618--907年)の文化の影響を受けた日本では、細部に至るまで「完璧」が追求された。これまでに日本で出土した古代の料理本には、料理人たちが「味」よりも内外の協調を追求した「盛り付け」を重視していたことが垣間見える。江戸時代(1603–1868年)になると、幕府は料理人に多種多様な献立を求めるようになり、卓越した技巧が形成されるようになる。その後、江戸時代後期から明治時代にかけては、その水準が徐々に低下していくが、儒教の文化に存在する「調和の追求」という概念が消えることはなかった。
早く1782年に刊行された料理本「豆腐百珍」は100種類の豆腐料理の調理方法を解説している。「豆腐」のような簡単な食材でも、料理人たちは工夫を凝らしてさまざまな豆腐料理を編み出したのだ。結果、さまざまな地域で、豆腐を使った独特の料理が誕生した。例えば、秋田県には、豆腐をカステラ状に加工した「豆腐カステラ」という郷土菓子があり、甘く香ばしい味が人気だ。
「盛り付け」の追求は、「精神」の追求でもある。何でもない食材が、料理人の手にかかると、人の目を楽しませる料理へと生まれ変わるのだ。「盛り付け」と「精神」の結合は、天と地の調和であり、「調和」は全ての食材が行きつく先だ。中国の八大料理(山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理)に代表される食文化の色、香り、味、盛り付けにもその特徴が反映されている。例えば、四川料理において、サンショウとトウガラシは、味付けのためだけでなく、料理が本来持っている特徴やその背後にある文化を引き出すために使用されている。
料理を研究することで1つの民族の文化を垣間見ることができる。繊細で美しさを演出する日本料理から、島国である日本の人々の慎み深い気質を知ることができる。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月3日