今年の政府活動報告では、金融体制改革を深化させ、金利市場化の推進を継続し、金融機関の金利自主決定権を拡大し、ネット金融の健全な発展を促進し、金融管理の調和的なメカニズムを形成することが提起された。最近話題のネット金融という概念が、政府活動報告に盛り込まれたのはこれが初めてだ。人民日報が伝えた。
中国の貸出金利市場化はほぼ実現されており、預金金利市場化は改革の中で最も重要かつ最も困難な一歩となる。ネット金融の台頭は、預金金利市場化という改革を力強く推進した。
近頃、「余額宝」(アリババ・グループのファンド投資サービス)を始めとするネット金融が急速に発展しているが、これは「包括的金融システム」の意義により近いからだ。包括的金融の建設は、金利市場化改革の重要な内在的要求の一つだ。その目的は、金融システムの利益を国民の各層および各企業に与え(特に伝統的な金融システムから金融サービスを受けられない低所得層および零細企業)、金融システムの重要な参加者とすることだ。ネット金融は金融のハードルを大幅に下げ、一般人の金融投資への積極性を大幅に高めた。
ネット金融は名目金利を実質金利に急速に近づけている。オンラインファンドなどの金融商品の登場により、低・中所得層の大量の余った資金が実質金利のもたらす収益を得ており、一般人の少額資金の投資意欲を高めている。これらのネット金融商品からの衝撃を受け、多くの商業銀行も当座預金商品の販売を開始しており、普通預金金利の大きな利差を捨てている。これは預金金利市場化の歩みを開始させた。
ネット金融は中国の金利市場化改革の方向にそっている。ネット金融が急激に発展する中で、中国中央銀行や中国証券監督管理委員会などの部門は、積極的・オープン・寛容の態度を貫いている。ネット金融の力強い発展は、金利市場化に理想的な実験室を提供し、その「ナマズ効果」によって引き起こされる自主的な金利市場化は、監督管理部門の命令による推進よりも容易だ。
全体的に見て、ネット金融は現在、金利市場化の促進に強い力を提供している。これは金融抑制の打破、市場の資金配置効率の向上にとって有利だ。制限を受けている預金金利は、中国の資本配置の効率と有効性にある程度の影響を及ぼしており、金融抑制を形成し、実質金利のねじれを生んでいる。金利は資本配置の中で効果的な伝導の役割を果たせず、金融投資が制限を受け、資本配置効率が低下している。
ネット金融はオンラインファンドなどの金融商品を通じ、顧客に安定的かつ実質金利に近い収益を提供する。P2Pなどのオンラインプラットフォーム信用貸付方式を通じて社会資金の動員能力を強化し、資金回転の速度を高め、銀行の債務を巡る競争を強化する。金利が資金の需給状況を適時反映できるようになり、資金の合理的な流動を促す。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月17日