中国環境保護部(省)はこのほど、北京で2017年に開港が予定されている新空港の環境影響評価報告書を公開した。報告書には、空港建設が予定されている地域の環境の質の状況や評価、騒音、水・大気汚染の対策などが含まれている。同報告によると、新空港建設後、航空機から出る排気ガスの現地のPM2.5濃度に対する寄与率は低く、空港が地域の大気の質に与える影響は中国の国家基準をクリアしている。また、空港で離着陸する航空機の騒音が、北京市内に与える影響もほとんどないという。北京日報が報じた。
589ページにわたる同報告書は、22項目に分けて報告が記載されている。報告書によると、新空港には70万平方メートルのターミナルビルが建設され、2025年までに、利用者数が年間延べ7200万人に達すると見込まれている。空港建設には総額861億7千万元(約1兆4218億円)が投じられる。
同報告書によると、空港建設予定地周辺は主に静かな農村で、空港建設後、周辺地域では飛行機や交通、社会活動などによる騒音が増大するなど、環境の質に大きな変化が出る。年間の予想騒音レベルは、80デシベルの村が9カ所、75-80デシベルの村が24カ所、70デシベル以上の学校が23校で、うち7校が75デシベル以上、75デシベル以上の衛生院(医療関連施設)が1カ所と試算されている。
騒音の影響を受ける村や学校は、80デシベル以上の場合、移転対策が取られる。また、70デシベル以上の場合も、状況に応じた対策が講じられる。開港後も、騒音の追跡調査が実施される。そのほか、新空港に離着陸する航空機は、北京市内の上空は通過しないルートを取る予定で、市内では騒音の影響がほとんどないと予測されている。
同報告によると、開港後に増加する汚染物は主に、航空機から出る排気ガスに含まれる二酸化硫黄や一酸化炭素、二酸化炭素、揮発性有機化合物、微小粒子状物質。二酸化炭素やPM10、PM2.5の1日当たりの平均濃度が基準を超える日も出ると予測されている。しかし、その主な原因は、現地のそれらの指標が今の時点で中国の国家基準を超えているからで、空港建設が原因の二酸化炭素、PM10、PM2.5の増加はほとんどないと予測されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年5月14日