陝西省周至県にある陝西省珍稀野生動物救助飼養研究センターで、3頭のパンダの赤ちゃんを抱くスタッフたち |
2009年、オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁地帯グレート・バリア・リーフの島の簡単なケアが主な仕事の求人広告が、半年で15万豪ドル(約1425万円)という破格の報酬で出され、「世界一理想的な仕事」として話題になったが、中国四川省雅安市で出された「パンダと一緒に暮らす」という求人広告も「中国で最もおもしろい仕事」として関心を集めている。中国の国宝と毎日触れあえるこの仕事の契約期間は1年で、報酬は計20万元(約330万円)。寮や食事付きで、しかも仕事用の車まで手配してくれる、夢のような仕事だ。新華網が報じた。
同求人広告は、中国パンダ保護研究センターや中国大手サイト・捜狐、自動車メーカー・長安福特(フォード)などが共同で企画した。求人広告には「あなたの仕事はただ1つ。パンダと365日一緒に過ごして喜怒哀楽を共にすること。上司なし!タイムカードを打つ必要なし!出張なし!残業なし!年収20万元!ペット付き!専用車付き!すぐに募集を!」と書かれている。
同センターの衡毅・宣伝部長は「パンダの飼育を学び、野生化研究にも携わってもらう。募集を通じて多くの人にパンダ保護に注目し、参加してほしい。当選者はパンダの世話や飼育を学ぶだけでなく、パンダを野生に返す科学研究業務にも参加することになる」と述べている。
ジャイアントパンダが中国の「国宝」に指定されていることは周知の事実だが、「パンダの保護」となると、多くの人にとってはあまりなじみがない。現在、同センターでボランティアとして働いているスタッフのうち、約80%が外国籍のスタッフだ。
今回、パンダと一緒に過ごすスタッフ1人のほか、観察員8人も募集されている。観察員は、同市にある碧峰峡パンダ保護基地で3日間、パンダと触れ合う。
ジャイアントパンダは現在、中国のごく限られた地域(四川省・陝西省など)にわずかな頭数が残存するだけで、中国で「一級保護野生動物」に指定され「生きた化石」と呼ばれているだけでなく、世界の象徴種にも選定されている。その特独の生態が科学研究の注目を集めているだけでなく、愛らしい姿が人気ともなっている。
1980年に設立された中国パンダ保護センターは、碧峰峡保護基地のほか、臥龍保護基地、都江堰パンダ疾病対策予防センターを有する、中国最大規模、世界一流のジャイアントパンダ科学研究・自然保護教育基地。現在、世界にいるジャイアントパンダの総数の約60%に当たる約170頭を飼育している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年5月12日